施設詳細

本館 テクノステーション

技術研究所の中核施設です。最先端の環境配慮、最先端の安全安心、最先端の研究環境の3つをコンセプトに掲げています。最高水準の省エネ・省CO2の達成や世界初のスーパーアクティブ制震システムの採用、知的生産性向上をめざしたワンルーム型ワークプレイスなど、大林組が培ってきた技術の結晶がここにあります。

テクノステーションに適用された技術

スーパーアクティブ制震「ラピュタ2D」

地震が起こると建物と地盤に設置したセンサーが揺れを感知し、瞬時にコンピューターで最適な制御力を求めます。アクチュエータ(加力装置)で地面の動きと反対方向に建物をすばやく動かし地震の揺れを打ち消すため、建物は揺れません。

自然エネルギーの積極的な利用と制御(パッシブシステム総括)

太陽光や風、雨水などの自然エネルギーを、照明や空調に積極的に活用します。
こうした自然環境との共生によってCO2排出量を削減しながら、快適な空間をつくり出します。

エコロジカルルーフシステム

本館 テクノステーションの屋根にトップライトを設け、自然光を反射、拡散させながら室内に採りこみます。この自然光により、昼間は照明の点灯を抑えられるので、エネルギーの消費量をカットできます。また、ゆるやかな光の変化によって、室内にいながら自然を感じることができます。
また、屋根面には太陽光発電パネルを最適な角度で設置し、高効率に発電します。

ペリバッファシステム

南面は大きな庇(ひさし)とガラス製のフィン*で、直射光をカットして空調負荷を抑えます。また、窓際に打合せゾーンを設けることで、光と熱をゆるやかに調整する緩衝空間をつくり、執務空間を快適に保ちながら空調エネルギーを低減します。
*ガラス製のフィン ・・・ 一定の間隔で、窓面と垂直に立てるガラス製のついたて

自然換気システム

遠隔開閉式のトップライトで自然換気を行います。春や秋には、南北方向から吹く風をオフィスの自然換気に利用することで、空調エネルギーを大幅に削減します。

自然水利用システム

夏は敷地内の地下水をくみ上げ、冷房の補助熱源や緑地への散水に利用します。また、雨水はトイレの浄化水や緑地への散水に利用します。敷地内は水が浸透しやすい湿潤舗装なので、散水した水は地下へと戻ります。

アクティブシステム総括

快適なオフィスに欠かせないのは心地よい温度と適度な明るさです。しかし、そのためには非常に多くのエネルギーを使用します。本館 テクノステーションでは、「もったいない」の思想から生まれた次世代型の仕組みで、空調と照明にかかるエネルギーを抑えながら心地よい空間をつくり出し、省エネと快適さの両方をかなえます。

パーソナル放射新空調システム

人が活動するところに「快適さ」は不可欠です。でも、人がいないところにも必要でしょうか。快適さの「必要なところ」と「不要なところ」を明確に分け、パーソナル放射パネルと床吹出し空調により在席者の周りだけを快適にし、余分なエネルギーを使いません。

ICタグによる照明・空調新制御システム

建物への入退館を制御するセキュリティ用のRFIDタグ(ICタグ)を、個人用の照明や空調のON・OFF制御にも利用します。人がいるときだけ照明や空調が稼働するのでエネルギーの無駄がありません。

地中熱利用ヒートポンプシステム

空調用の空気や水は、ヒートポンプを使用して冬には暖め、夏には冷却します。その際、一年を通して15〜19℃の地中熱を利用してヒートポンプにかかる負荷を少なくし、消費電力を節約します。

マネジメントシステム総括

省エネ・省CO2を実現するためには、自然エネルギーや次世代設備の活用等とともに、「一人ひとりのエコ意識」が大切です。
本館 テクノステーションでは、勤務者が空調を自然換気モードに切り替えたり、CO2の削減効果をモニターで確認したり、自らエコに取り組めるようにしました。省エネ・省CO2の「見える化」は、皆がエコに気づく第一歩です。

建物からの「エコサイン」で、自然換気モードに

屋外の気温や湿度、風速などを建物上部のセンサーが感知し、自然換気でも室内を快適に保てる場合は、室内の自然換気スイッチが点灯してお知らせします。建物からの「エコサイン」を受け取った勤務者は、自然エネルギーを利用した換気モードに切り替えます。

省エネ・省CO2を「見える化」、その効果をグラフや数値でリアルタイムに表示

太陽や風、水などの自然エネルギー利用やICタグによる照明・空調制御で省エネ・省CO2を行い、その効果をグラフや数値でリアルタイムに表示します。また、一般的な事務所ビルと比較して削減できたCO2量を樹木の数に換算し、 エコに取り組んだ成果を実感しやすくしました。

「見える化」は、地球に優しい「人」を育てる仕組み

省エネで削減したエネルギー量は費用換算し、苗木を購入するなどして、子どもたちとの植樹イベントや環境講座など地域に役立つ活動にも取り組みます。省エネに取り組んだ分が樹木に変わり、緑を通じて人と人とのふれあいが増えれば、一人ひとりのエコ意識も育まれていくことでしょう。「見える化」は、地球に優しい「人」を育てる仕組みでもあるのです。