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解説

再開発で生まれた表参道のケヤキ並木と調和した新たなシンボル

美しいケヤキ並木が続き、最先端の流行を発信する街、原宿・表参道のシンボル「同潤会青山アパート」の再開発事業である。

「表参道のケヤキ並木と周辺の緑に溶け込んだ建物」をコンセプトとし、商業施設と集合住宅からなる建物の高さは景観に配慮して低く抑えられている。地下3階から地上3階まで表参道と同じ勾配のスロープが続き、街との一体感を生んでいる。商業施設と集合住宅の境目となる地上3階と4階の間には免震階を設け、積層ゴムアイソレーターと油圧ダンパーを設置して住宅階の揺れを低減している。外装はコンクリート打放しと同色系統のアルミとガラスのカーテンウォールで統一され、ケヤキ並木に調和した落ち着いたデザインとなっている。

旧アパートの一部を再現するため、解体工事は、再利用できる部材を採取し、調査しながら行った。深さ30mに及ぶ地下掘削工事ではOWS工法によって山留め壁を構築した。建物形状から短辺方向の地下外壁に大きな地震時の水平力が作用するため、OWS壁には地震時の水平力を負担させることのできるCWSジョイントを採用し、地下外壁の厚みをおさえ、地下空間の有効利用を図った。さらに、大深度地下の高い地下水圧に対する止水性を保つため、一般部にもCWS-Sジョイント工法を採用している。

マスコミの注目度も高く、多くの見学者の来訪を受けた。工事は132万労働時間無事故無災害で竣工。2006年2月にオープンした表参道ヒルズは原宿の新しいシンボルとして、多くの人々で賑わっている。

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