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解説
らせん状の独特のデザインが目を引く名古屋の新しいランドマーク
モード学園スパイラルタワーズは、モード学園が運営する名古屋地区の3つの専門学校を集約する新校舎として計画された。3面の外壁がスパイラル状にねじれた独特のデザインは、学生の夢と創造のエネルギーが絡み合いながら上昇することを表現している。3つの扇形平面(教室群ウィング)が、直立するセンターコアを中心に、1階上がるごとに反時計回りに3度ずつ位置をずらし、面積が1%ずつ縮小しながら接続される構造になっている。各ウィングは低層(26階)、中層(31階)、高層(36階)と高さが違う3本の棟状に伸び、見る方向によりすべて異なったねじれが生み出されている。
工事は、短工期に対応して逆打ち工法を採用、建屋内に地下1階に通じる仮設斜路を設け、地下工事基地を地下1階に、地上工事用スペースを1階に作り、エリアを分離して施工を進めた。昼間は地上工事、夜間は地下掘削と躯体工事と、24時間体制で施工した。
最大の課題は、“ねじれ”を生み出す鉄骨工事の精度管理であった。事前に、施工時の進捗に合わせた架構の変形を鉄骨の節ごとに14ステップに分けて解析し、精度管理に反映させた。スパイラル状の鉄骨建て方では、インナー鉄骨をアウターより常に6階分先行させ、インナーの本締め・溶接を完了させて架構を固めた後、アウターの建て方を行うことで精度を確保した。傾斜しているアウターの建て方は、当社でも初めての施工であり、3次元測量器により厳密な測定を行った。さらにスラブコンクリート打設では、上階のコンクリートの重量で下部のアウターにひねりが生じてしまうため、下層部では上層インナー部を打設した後の安定した状態でアウターの打設を行うという変則的な手法を採用した。
人々の目を驚かせる、新しいランドマークが誕生した。