季刊大林 No.4

「劇場」

演劇はかつて神事に属し、人間は神との交流の接点に演劇を創造した。日常生活から離れた仮構の場で単純な動作を繰り返す舞踏が、より複雑なストーリーをもち、さらに仮構の世界を展開する演劇にまでに発達していくのに、それほどの距離はなかっただろう。本号では、神事から離れ特別な成長を遂げた演劇をする特別の場―劇場にスポットを当ててみた。
わが国の歴史を通じて最も演劇が盛んだったのは江戸時代だ。なかでも文化・文政期(1804~1829年)は歌舞伎についてもひとつの頂点を極めた時期だといわれる。そこでOBAYASHI IDEAでは、歌舞伎・劇場史を踏まえ、江戸時代の文化遺産・文化・文政期の市村座の復元にチャレンジすることとした。
(1979年発行)

OBAYASHI IDEA

文化・文政期 市村座復元の試み

復元:大林組プロジェクトチーム

全編を読む

江戸歌舞伎あれこれ

対談:「劇場の思想」

山崎正和(劇作家)
小松左京(作家)

ペルソナと変身願望

加藤秀俊(学習院大学教授)

日本語の中の芝居・劇場

劇場そのあゆみ

「劇場」文献101