季刊大林 No.13

「長屋」

長屋といえば、八っつぁんや熊さんの生き生きとした、どこかユーモラスでもある生活を思い浮かべる。それはとりも直さず、長屋が庶民生活の舞台であり、超高層時代を生きる現代人にとっても、庶民感情の故郷ともいえる親しみを感じるからであろう。しかし、またよく考えてみると、長屋の建築側面については案外知らないことが多くあることに気づくのである。本号は、長屋にスポットを当て、かつてそれが何であったのか、建築的側面はじめ、その暮らしぶりや意味など様々に考えてみた。
OBAYASHI IDEAでは、江戸期の典型的庶民住宅である長屋の制度や習慣を見直し、東西比較の形でかつて江戸と大阪の長屋の復元を試みた。
(1982年発行)

OBAYASHI IDEA

長屋の復元 その東西比較を中心として

復元:大林組プロジェクトチーム
協力:平井聖

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長屋あれこれ

長屋文化論

加藤秀俊(中部高等学術研究所所長)

長屋紳士録

昆虫の集合住宅

日高敏隆(京都大学教授)

川柳にみる 長屋の四季

宮尾しげを(国家、隨筆家)

「長屋」の文献101