季刊大林 No.27

「出雲」

出雲地方には古代に“何か”があった。その残照の幾つかが今もこの地に伝わる。あの巨大な出雲大社であり、神事や神話の数々であり、とくに1984年夏には荒神谷遺跡から一挙に358本もの銅剣を出土している。その数は、それまでに全国から出土した銅剣の総数(約300本)をたった一箇所でかるく凌駕してしまい、専門家の常識を覆してしまった。
それはあらためて、出雲という土地の不思議をクローズアップさせたものである。いまもこの地は、古来の自然がそこなわれず、神々の時代そのままに宍道湖や、斐伊川、簸川(ひのかわ)平野がひろがり、そして日本海の波頭の上に独特の雲が立つ。本号はそんな“八雲立つ出雲”にスポットライトを当てた。
(1988年発行)

「出雲大社本殿の復元」に想う

福山敏男(京都府文化財保護審議会委員)

OBAYASHI IDEA

古代・出雲大社本殿の復元

復元:大林組プロジェクトチーム
監修:福山敏男(京都府文化財保護審議会委員)
協力:出雲大社、馬庭稔(建築家)

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出雲の神話と古代史

上田正昭(京都大学教授)

情報基地としての出雲

加藤秀俊(放送大学教授)

新出雲人国記

グラビア:出雲遊草

写真:植田正治

「出雲」の文献66