特に秘訣のようなものはありませんよ。ただ、一つ言えることは、9,300人いる大林組社員全員に「技術の伝承」と「こころの伝承」がされていることでしょうか。
我々が技術と呼んでいるのは、いわゆる“建設技術”のみではなく、「事業を推進する力」のことも指しています。技術者や技能者、設計事務所など、多くの方々と長いスパンで行うプロジェクトですので、すべてのレベルにおいてコミュニケーションする力も必要となります。もちろん、建設技術そのものについても、次世代を創るために必要な技術は何かを常に考え、新しい技術の開発に取り組んでいます。今回の東京スカイツリーでも、「ナックル・ウォール工法」や「リフトアップ工法」、「スリップフォーム工法」など、これまで大林組で培った技術を大いに発揮することができました。
我々は社訓で「良く、速く、廉く(やすく)」を掲げています。お客様に最良のクオリティ・スピード・コストを提供するため、お客様のニーズを的確に把握して工事をすることが我々大林組のこだわりであり、全社員が共有、継承している大切な部分なのです。
(c) 日経BP社「日経ビジネスオンライン SPECIAL」初出:2012年3月2日~2012年4月2日