とても興味深いお話ばかりでした。最後にこれから大林組の目指す未来についてお聞かせください。

 大林組は、1892年(明治25年)の創業以来、120周年を迎えることができました。東京スカイツリーは新しい下町の、そして日本のシンボルです。節目となるタイミングで東京スカイツリーの建設に関わることができたことを大変嬉しく思っておりますし、大林組にとって計り知れないほどの大きな価値を得ることができたと思います。
 建設会社の仕事は、衣食住の「住」を担い、人類が存在する限り未来永劫、続く職能です。100年後、1000年後の壮大な未来を描きながら、「ネジ1つ落とさない」心を持ち続ける。そんな当たり前のことを大切にしながら、我々の競争力の源泉である「サービスと技術」を核として建設業周辺への事業領域の拡大を図っていきたいと考えています。東京スカイツリーが天空高く伸びているように、私ども大林組も未来の景観へ向けて成長を続けていければと思っていますので、次なる挑戦を是非見守ってください。

1947年生まれ。1971年東京大学工学部建築学科卒業後、大林組入社。2001年取締役、
2002年に東京建築事業部副事業部長、2003年に常務取締役、2005年に常務執行役員就任。
2007年 専務執行役員東京建築事業部長、同年、代表取締役社長就任、現在に至る。

(c) 日経BP社「日経ビジネスオンライン SPECIAL」初出:2012年3月2日~2012年4月2日