山岳トンネル Mountain Tunnel

山岳トンネル工事の安全と品質、生産性を
飛躍的に向上させる統合システム

「OTISM(オーティズム)®

大林組は、山岳トンネルの施工を自動化・遠隔化する統合システムを開発し、さまざまなトンネル工事現場で適用しています。今後、全ての現場での適用を目指し、開発を加速させています。

山岳トンネル工事の自動化・遠隔化に
成功しました

山岳トンネル工事工程

工程名をクリック

山岳トンネル統合システム「OTISM」
(動画再生時間:4分12秒)

掘 削OTISM / TUNNELING

概念図

下記の各サイクルをクリックすると内容が表示されます

  1. 穿 孔
    Cycle1
  2. 装 薬
    Cycle2
  3. ずり出し
    Cycle3
  4. 吹付け
    Cycle4
  5. 支保工
    Cycle5
  6. ロックボルト
    Cycle6

Cycle.1 穿孔(せんこう)

トンネルの発破掘削において、最適な発破パターンを自動作成する『ブラストスキルAI』と『フルオートコンピュータジャンボ』を組み合わせることにより、トンネル切羽での穿孔作業を自動化しました。オペレーター1人がワンボタン操作で穿孔作業が可能となり、省人化できます。さらに、余掘り量を約30%削減できます。

穿孔作業

自動化

従 来3人

現 在1人

関連技術

全自動穿孔と穿孔データを自動収集する 『フルオート コンピュータジャンボ』
切羽写真や穿孔データから自動的に発破プランを作成する『ブラストスキルAI®〈NETIS登録番号:KK-260018-A〉
切羽前方地山3次元可視化技術『トンネルナビ®3D』〈NETIS登録番号:KK-250001-A〉
切羽画像から切羽評価項目を高精度に判定する 『山岳トンネル切羽評価AIシステム』〈NETIS登録番号:KT-200050-A〉

適用状況

R4国道20号 新笹子トンネルその1工事(発注者:国土交通省)
ブラストスキルAIとコンピュータジャンボによる穿孔
国道429号 榎峠トンネル工事(発注者:京都府)
ブラストスキルAIを使用した穿孔状況

Cycle.2 装薬

慶應義塾大学の野崎貴裕准教授らの研究グループと大林組は、力触覚技術「リアルハプティクス®」を応用した『自動火薬装填システム』を開発し、切羽での火薬や雷管などの危険性が高い材料や細かい脚線を取り扱う装薬(火薬の装填(そうてん))作業を遠隔化しました。

トンネル切羽での装薬作業

遠隔化

人 員1人(1ブーム)

関連技術

力触覚技術「リアルハプティクス®」を応用した『切羽直下での火薬装填作業無人化』
力触覚技術「リアルハプティクス®」を応用した『自動火薬装填システム』

受賞歴

・令和8年度日本建設機械施工大賞優秀賞「山岳トンネル自動火薬装填システムの開発」
・令和7年度岩の力学連合会技術賞「力触覚を利用した自動火薬装填システムの開発と現場適用」

適用状況

R4国道20号 新笹子トンネルその1工事(発注者:国土交通省)
三遠南信自動車道 三遠南信6号トンネル工事(発注者:国土交通省)
自動火薬装填システムによるトンネル切羽発破動画(動画再生時間:6分48秒)

Cycle.3 ずり出し

トンネル掘削によって発生する残土(ずり)を、狭い空間でも安全かつスムーズに積み込める特殊バケット『スライドローダー®』を開発し、作業時間を30%削減しました。大林組が開発した汎用遠隔操縦装置『サロゲート®』などと組み合わせることで、坑内でのずり出し作業を遠隔化できます。ダム工事などで実証している統合施工管理システムをトンネル工事に適用することで、遠隔化から自動化へシフトします。

ずり出し作業

自動化を実施予定

従 来1人

現 在無人化

関連技術

残土積み込み作業の安全性・生産性を向上させる特殊バケット『スライドローダー®
バックホウなどの建設機械を無人で運転する汎用遠隔操縦装置『サロゲート®〈NETIS登録番号:KT-200123-A〉
施工計画から施工、品質管理までを自動化『統合施工管理システム』

適用状況

北海道新幹線 立岩トンネル(山崎工区)工事(発注者:独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
新丸山ダム建設工事(発注者:国土交通省)
統合施工管理システムによる複数建機の自動・自律運転動画(動画再生時間:6分27秒)
令和6年 能登半島地震 国道249号 啓開作業(発注者:国土交通省)
大林組が活用する先端技術のイメージイラスト

Cycle.4 吹付け

トンネル掘削時の吹付けコンクリートの施工において、設計形状に沿った最適なノズル位置を自動で保つ『輪郭・平面同調システム』と吹付けコンクリート面の出来形測定と作業監視を行う『出来形・監視UGV』とを組み合わせた『遠隔吹付けコンクリートシステム』を開発し、切羽での吹付け作業を自動化・遠隔化しました。

吹付け作業

自動化

人 員1人

関連技術

吹付けコンクリート作業に最適なノズル位置を自動で保つ『輪郭・平面同調システム』
トンネルの出来形測定と作業監視を遠隔操作で行う『リアルタイム出来形計測システム』

適用状況

R4国道20号 新笹子トンネルその1工事(発注者:国土交通省)
磐越自動車道 宝珠山トンネル工事(発注者:東日本高速道路株式会社)
遠隔吹付けコンクリート(動画再生時間:55秒)

Cycle.5 支保工

トンネル掘削時の支保工建て込み作業において、鋼製支保工を建て込む技術『クイックテレクター®』を開発し、自動化に成功しました。切羽に作業員が立ち入ることなく、オペレーター1人による建て込みが可能となりました。また、既設支保工と建て込み支保工を遠隔操作で連結する特殊つなぎ材を開発し、建て込み精度の向上と時間短縮を図りました。

支保工建て込み作業

自動化

従 来5人

現 在1人

関連技術

山岳トンネル遠隔支保工建て込み技術 『クイックテレクター®〈NETIS登録番号:KK-260019-A〉
鋼製支保工建込みガイダンスシステム〈NETIS登録番号:KK-260016-A〉
鋼製支保工自重受けワンタッチ横繋ぎ材『SZブラケット』〈NETIS登録番号:KK-250059-A〉

適用状況

R4国道20号 新笹子トンネルその1工事(発注者:国土交通省)
鋼製支保工建込み技術「クイックテレクター」および遠隔吹付け施工状況
磐越自動車道 宝珠山トンネル工事(発注者:東日本高速道路株式会社)
鋼製支保工建て込み技術「クイックテレクター」(動画再生時間:1分13秒)
舞鶴若狭自動車道 三国岳トンネル工事(発注者:西日本高速道路株式会社)
重機上から見た鋼製支保工建て込み状況

Cycle.6 ロックボルト

トンネル掘削時に、ロックボルト打設作業を自動で行うロックボルト打設専用機『ロボルタス®』を開発しました。切羽に作業員が立ち入ることなくロックボルトを打設することに成功し、オペレーター1人によるロックボルト打設が可能となりました。

掘削Cycle6「ロックボルト」のCGイメージ

ロックボルト打設作業

自動化

従 来5人

現 在1人

関連技術

ロックボルト遠隔打設専用機『ロボルタス®〈NETIS登録番号:KK-260012-A〉

適用状況

R4国道20号 新笹子トンネルその1工事(発注者:国土交通省)
ロックボルト遠隔打設機「ロボルタス」施工状況
国道140号 大滝トンネル工事 試験施工(発注者:埼玉県)
ロボルタス全景

覆 工OTISM / LINING

覆工

下記の各サイクルをクリックすると内容が表示されます

  1. 防 水
    Cycle1
  2. セントル
    Cycle2
  3. 打 設
    Cycle3
  4. 養 生
    Cycle4

Cycle.1 防水

防水シート張り付け作業時に壁面形状に追従する自動展張システム『長尺スラックシート®システム』を開発し、施工品質を確保しながら作業効率2倍の向上を実現しました。

防水シート張り付け作業

省力化

作業スピード約2倍

関連技術

壁面形状追随型長尺防水シート自動展張システム『長尺スラックシート®システム』〈NETIS登録番号:HK-220011-A〉

適用状況

すさみ串本道路 高富トンネル工事(発注者:国土交通省)
長尺防水シート自動展張システム「長尺スラックシートシステム」(動画再生時間:1分37秒)
舞鶴若狭自動車道 三国岳トンネル工事(発注者:西日本高速道路株式会社)
長尺スラックシート施工完了

Cycle.2 セントル

トンネル覆工構築時に用いるセントル(アーチ部のコンクリートを打設する際の型枠)を、一回のボタン操作だけで正しい位置に自動で移動から据え付けまでできる『セントル全自動セットシステム』を開発しました。オペレーター1人、作業時間30分での自動セントルセットに成功しました。

セントルセット作業

自動化

従 来6人

現 在1人

関連技術

覆工コンクリート作業の省人化『セントル全自動セットシステム』〈NETIS登録番号:KT-230124-A〉
セントルセット作業とコンクリート打設作業を自動化 『ROBOライニング™︎

適用状況

舞鶴若狭自動車道 三国岳トンネル工事(発注者:西日本高速道路株式会社)
すさみ串本道路 高富トンネル工事(発注者:国土交通省)
セントル全自動セットシステム(動画再生時間:2分13秒)
磐越自動車道 宝珠山トンネル工事(発注者:東日本高速道路株式会社)

Cycle.3 打設

トンネル覆工コンクリート打設時に、打ち上がり高さに合わせてホースを自動で引き上げ、連続打設する『ホース伸縮式連続打設システム』を開発しました。ポンプやバルブの切り替え、ホース引き上げ、締め固め作業を自動化することで、一回のボタン操作と左右監視だけで打設が可能となりました。また、従来の覆工コンクリートと同等のセメント量で、高い流動性と自己充てん性を有する革新的な高流動コンクリート『ニューロクリート Neo®』を開発し、低コストと高品質化も実現しています。

覆工コンクリートの打設作業

自動化

従 来6人

現 在2人

関連技術

覆工コンクリート連続打設『ホース伸縮式連続打設システム』〈NETIS登録番号:KT-200106-A〉
低コストで高品質な高流動コンクリート 『ニューロクリートNeo®〈NETIS登録番号:KT-200006-VE〉
セントルセット作業とコンクリート打設作業を自動化 『ROBOライニング™︎

適用状況

舞鶴若狭自動車道 三国岳トンネル工事(発注者:西日本高速道路株式会社)
三国岳トンネル 覆工自動化セントル「ROBOライニング」
磐越自動車道 宝珠山トンネル工事(発注者:東日本高速道路株式会社)
宝珠山トンネル 覆工自動化セントル「ROBOライニング」
東海環状自動車道 柿田トンネル工事(発注者:中日本高速道路株式会社)

Cycle.4 養生

トンネル覆工コンクリート打設後の養生時に、覆工表面を養生シートで覆って外気と遮断した密閉空間を作り、この空間内を超音波加湿器で高湿度の状態に維持する『モイストキュア®』を開発しました。温度や湿度を運転制御盤上でリアルタイムに管理でき、自動化と高品質化を実現しました。

覆工コンクリートの養生管理

自動化

人 員0人(自動管理)

関連技術

覆工コンクリートの超音波加湿養生システム 『モイストキュア®〈旧NETIS〉

適用状況

舞鶴若狭自動車道 三国岳トンネル工事(発注者:西日本高速道路株式会社)
舞鶴若狭自動車道三国岳トンネルに適用したモイストキュア全景
国道45号 吉浜釜石道路トンネル工事(発注者:国土交通省)
国道45号吉浜釜石道路のトンネルに適用したモイストキュア全景
金沢東部環状道路 月浦トンネル工事(発注者:国土交通省)他50件以上

計 測OTISM / MONITORING

計測

計測・評価

計測・評価は、前方探査や計測で地山の状態を確認し、断層や湧⽔の範囲を特定します。従来はこれらの結果から、発注者施工者ともに、ベテラン技術者個人の知識や経験で支保パターンや補助工法を提案していました。そこで、計測・評価を5つの項目に区分し意思決定を合理化します。本システムはICT・ロボット・AIを活用し、発注者や有識者を含めて評価・分析し、支保パターンや補助工法などを決定するものです。

計測Cycle1「調査・計測」のCGイメージ

トンネル施工時の計測・評価

自動化

人 員0人

計測Cycle1「調査・計測」のCGイメージ

関連技術

切羽前方地山3次元可視化技術『トンネルナビ®3D』〈NETIS登録番号:KK-250001-A〉
先端駆動型水圧ハンマーを用いた高速ノンコア削孔切羽前方探査システム『水圧ハンマーナビ®〈NETIS登録番号:KT-190036-A〉
無線ひずみ計『ハカルーター®〈NETIS登録番号:KT-220067-A〉
切羽崩落検知システム『ロックフォールファインダー®〈NETIS登録番号:KT-190056-A〉
地山挙動計測 『インバート変位計® 〈NETIS登録番号:KT-180074-A〉
『先行天端沈下計』 〈NETIS登録番号:KT-180071-VE〉
『二軸先行変位計』
『三軸地中変位計』 〈NETIS登録番号:KT-190071-A〉
切羽計測・評価『計測WEB管理システム』
『AIによる山岳トンネル切羽評価』 〈NETIS登録番号:KT-200050-A〉
『岩種判定システム』
作業状況の分析『CyclEye®〈NETIS登録番号:KK-250010-A〉

受賞歴

・令和5年岩の力学連合会技術賞「トンネル路盤の隆起を計測する「インバート変位計®」の開発」
・令和4年岩の力学連合会技術賞「ディープラーニングを活用した山岳トンネル切羽評価技術の開発」
・平成29年度地盤工学会中部支部技術賞「花崗閃緑岩の熱水変質帯における水圧ハンマを用いた高速ノンコア削孔切羽前方探査」
平成27年度土木学会技術開発賞「先端駆動型水圧ハンマを用いたトンネル切羽前方探査技術の開発」
・平成23年岩の力学連合会技術賞「ノンコア削孔による山岳トンネル切羽前方探査技術「トンネルナビ」の開発」

適用状況

冠山峠道路 第2号トンネル工事(発注者:国土交通省)
OTISM/Monitoring 紹介動画(動画再生時間:4分53秒)

Message for Future トンネルの未来を、
大林組が変えていく。

国土のおよそ7割が山地である日本では、山岳トンネルが重要なインフラを支えています。最先端の技術で人々の快適な生活を守り、同時に環境保全にも力を尽くすことが私たち大林組の使命です。
トンネル建設技術の発展は目覚ましく、ともすれば技術中心の施工に偏りがちですが、大林組は常に環境や建設に関わる人を第一に考えます。変化を追い求め成長し、人と自然とテクノロジーが調和する新時代のトンネル建設の実現をめざしています。

大林組土木本部 生産技術本部 トンネル技術部 部長

後藤 隆之