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解説

職・遊・住が一体となった複合都市

晴海トリトンスクエアは、総面積約10万㎡、延床面積約67万㎡、就業人口約2万人、居住人口約5,000人という国内最大級の再開発事業である。本事業の特徴は都市基盤整備公団(現、都市再生機構)と再開発組合が役割を分担しつつ、同一の街区で共同で事業を推進したことである。当社は当プロジェクトに初期段階から参画し、事業化を推進した。

街づくりは職・遊・住の3つの機能を併せ持つことをコンセプトとし、3棟の超高層タワーを中心に2万人が働くオフィスゾーン、5,000人が暮らす住宅ゾーン、花と緑と水のテラスのある南欧風の複合商業ゾーンにより構成されている。

当社はオフィスゾーンのW棟、X棟、Z棟、複合商業ゾーンのほか、第一生命ホールを他社と共同で施工した(W棟、Z棟、複合商業施設は当社スポンサー)。

3棟のオフィスタワーは、耐震対策としてアンボンドブレースをエネルギー吸収部材としてタワー外周部に配置する「被害レベル制御設計」を取り入れている。さらに世界初の試みとして3棟を制振装置で連結することで風揺れに対する居住性の向上を図っているほか、3棟の地下部分を一つの構造体とし、地下30mの強固な地盤に直接支持させている。この大深度掘削に当たっては、進捗の異なる他工区の影響を受けない、工区独立型の大規模な逆打ち工法を採用し、工期の短縮を図った。W棟にはCFT柱、大梁のノンブラケット工法、Y型ブレースダンパーが採用され、耐震性能を高めている。

再開発事業に合わせて完成したトリトンブリッジも、当社が他社と共同で施工した。世界でも例のない運河を渡る動く歩行者専用橋で、中央区道として整備されたものである。全長は94mでガラスとアルミパネルで覆われた動く歩道2基が設置され、都営大江戸線の勝どき駅からトリトンスクエアに向かう歩行者の視界が広がるよう配慮されている。

トリトンスクエアは、2丁目から5丁目へと続く晴海全体の開発計画のリーディングプロジェクトとして2001年4月に完成した。

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