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  • サウスタワー(左)、ノースタワー(右)
  • サウスタワー

解説

当社開発の全自動ビル建設システム「ABCS」を実用化したインテリジェントツインビル

玉川ルネッサンスシティは、NEC創立100周年記念事業の一環として同社玉川事業場に高層インテリジェントビルなどを建設する計画としてスタートした。「先進のエコロジービル」をコンセプトとし、設計・建築・運用のそれぞれの段階でエコ思想を取り入れ、省資源、省エネルギーはもとより、周辺環境との調和、建設資材のリサイクルまでも視野に入れたプロジェクトである。

2001年1月に第1期工事として竣工したサウスタワーでは、日射負荷を考慮したコア配置、高断熱性の外壁、エアーフローウィンドウ、昼光利用、コージェネレーション、外気冷房などの採用により、建物の全生涯を通じた運用エネルギーの40%削減、ライフサイクルCO2の35%削減を実現した。発注者、設計者、施工者で構成する「エコ委員会」を組織し、工事に携わったすべての人に環境に対する意識を高めてもらうよう、さまざまな活動を行った。施工では、当社が開発した全自動ビル建設システム「ABCS」を高層建築として初めて実用化し、高品質・省力化施工や工期短縮に加えて、騒音の低減などで効果を発揮した。

サウスタワーの竣工から5年後、サウスタワーの隣に、ルネッサンスシティ第2期工事としてノースタワーとホールが誕生した。ノースタワーには、サウスタワーと同じく改良を加えた「ABCS」を採用、電力使用量は在来工法の93%、工事用車両台数は95%に低減した。2期工事ではサウスタワーとノースタワーを地上62mの高さでつなぐ空中ブリッジ(連絡通路)を設置した。サウスタワーでは通常業務中、ノースタワーは施工途中という状況で、両棟への影響を最小限に抑えるためリフトアップ工法を採用。150tのブリッジは約10時間をかけて慎重にリフトアップされた。

2つのタワーの間の広場は、エコをイメージした緑の植栽が施されている。集積回路のような幾何学パターンを描くようにデザインされ、季節ごとに色彩を変える緑のカーペットは、敷地近くを通過する新幹線の車窓からも目にすることができる。

サウスタワーは、BCS賞(2001年)を受賞、ノースタワーは、リデュース・リユース・リサイクル(3R)推進功労者表彰(2004年度3R推進協議会会長賞)を受けた。

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