季刊大林No.31
「難波宮」

古代、大阪は難波(なにわ)といわれていた。現在でも「なにわ」は大阪の別名でもあるが、一般にはそれほど知られてはいない。まして古代の難波がわが国で最も初期の国際都市であり、さらに首都でもあったことを知る人は、まだ少ないようだ。
では、古代の難波はどんな都市であったのか。本号では、わが国最古の都城ともいえる難波に焦点をあて、そのシンボルとしての「難波宮」の誌上復元を通して、大阪の源流を探ってみることとした。
なお、難波宮は686年に全焼するまでの前期と726年に再建された後期に大別される。前期難波宮はさまざまな点をめぐる論争が後を絶たないため、今回は後期難波宮を主眼に置き、前期は一部を列記するに留めた。
(1989年発行)