タワークレーンを支えるメンバー さまざまな役割をチームワークで進行します。

タワークレーンを支えているメンバーとそこで働く人の声を紹介します。

  • タワークレーンの解体作業で働く人
  • 技術者が語る

タワークレーンの解体作業ではどんな人達が活躍しているのでしょうか?その舞台裏を見てみましょう!

メンバー 人数 作業内容(解体作業の場合)
1
タワークレーンオペレータ
1名 タワークレーンの操作を行う
2
合図者(とび職)
1名 玉掛け※1され吊りあげられた部材を、部材の仮置場所やトラックに移動させるため、クレーンオペレータへ無線にて合図をする

※1玉掛け:クレーンのフックに吊りやすくし、荷崩れを防ぐためにワイヤ類で揚重物を巻いたり、結束すること。

3
玉掛け者(とび職)
1名 タワークレーンの部材の玉掛け作業を行う
4
解体用クレーンオペレータ
1名 タワークレーンを解体するためのクレーンを操作する
5
作業責任者
1名 解体作業を統括する
6
解体指導員
2名 解体作業の指導を行う
7
作業指揮者(とび職)
1名 作業手順書に従い、とび工への作業指示・安全管理を行う
8
解体要員(とび職)
4名 作業指揮者の指示に従いタワークレーンを解体する

12名程度の人員によってタワークレーンの解体は行われます。工事の工期や現場の条件により人員数は上下します。

ゴーヘイ

揚重(ようじゅう)作業中にとび職が使う合図です。クレーン、エレベータ、巻き上げ機などを用いて吊り上げ開始、巻き上げ開始を意味します。「go ahead」(進めの合図)から転じたといわれています。

スラー

ゴーヘイの逆になります。巻き下げ開始の場合にとび職が使う合図です。「slack away」「slacken」(<綱などを>ゆるめる)から転じたといわれています。

タワークレーンは建設現場のシンボル、大事な相棒。

工事現場で実際にクレーンなどの工事機械に携わり、現在は建設機械の新しい技術開発を行う機械部に所属している、矢田和也主任に話を聞いてみました。

工事現場では、人と人とのコミュニケーションを通じ
現場の大変さとタワークレーンの重要性を実感。

入社して数々の現場を経てきましたが、初めてタワークレーンを扱う仕事を経験したのは高層マンションの現場でした。タワークレーンは大型建設工事には欠かせない存在です。私はそのタワークレーンを使って、現場のみんながスムーズに仕事ができるように建設工事の施工管理を行っていました。

タワークレーンを扱う際、まず始めにタワークレーンの設置計画に取り掛かります。タワークレーンは重さ100トン以上もあるため、建物の土台補強計画を立てます。
タワークレーンを設置するのに必要な日数は1週間もかかりませんが、設置計画の検討は社内担当部署と打ち合わせをしながら半年以上かけて行います。計画や準備に要する時間が長いことから、私たちの建設業界では"段取り八分"とよく言われています。
その他の業務では、タワークレーンを組み立て・解体する際の道路使用のための役所申請の手続きを行います。他にも工事用の電気・給排水の計画、鉄骨などの躯体材料や設備機器など重量物の設置計画の検証など、多岐にわたります。
実際の工事作業時では、タワークレーンをいつどこでどの協力会社が使うのかをコントロールしています。天候などによってスケジュールを毎日調整するときもありました。
このように工事現場では良質な建設物を工期内に完成させるために、さまざまな職種や経歴の人が集まって真剣な話し合いを行います。話し合いをより円滑にするためには普段からのコミュニケーションが大切です。何よりも、力を合わせて建物を完成させた時の達成感は非常に大きかったですね。

現場のニーズや課題解決に向けて、
日夜、新技術の開発・特殊工事の現場を支援。

現場を経験した後、機械部へ異動した私は大林組が施工中(2011年9月現在)の東京スカイツリー®建設工事で活躍したタワークレーンの業務を支えた"スカイジャスター"の開発に携わりました。
世界一の自立式電波塔となる東京スカイツリーでは、今までに誰も経験したことのない高い場所で作業するため、予測できない風の影響が多いと想定しました。スカイジャスターが上空で安全と効率を確保する新型装置として役立てるよう、さまざまなシミュレーションを行い、試行錯誤し開発に至りました。
将来は、リモコン装置によるタワークレーンの無人化稼働でも、吊り荷の位置決めを安定させるのにスカイジャスターが利用できるのではないかと考えています。また、無人化とまではいかなくてもスカイジャスターを用いることで、タワークレーンのオペレーターの作業軽減により作業レベルの平準化にもつながります。

また建設現場では、タワークレーンにまつわるいくつかの決め事・エピソードがあります。タワークレーンを支えているマスト(支柱)の色が各建設会社ごとに定められていたり(大林組はパッションオレンジ色)、稼動しているタワークレーンに、名前がつけられていたり(地名や外観や四神などに由来した名前などもある)と、とてもユニークな決め事です。
加えてタワークレーンの現場で少し困ったことと言えば、マスト部分にカラスや蜂が巣を作ってしまったことです。その時は、駆除業者を呼んで大変な経験をしたことも今では笑い話となっています。このようなことからもタワークレーンは作業現場のみんなから注目を浴びる存在であると言えます。

あなたにとってのタワークレーンとは?

「建設現場ではタワークレーンが無いと何もできない、大事な相棒です。

建設工事現場で作業の要となっているタワークレーンは他の誰にも代わりがきかない、仕事を円滑に進める大事な相棒です。今後も何かしらの形で関わっていければと思います。皆さんも街でタワークレーンを見たら応援してあげてくださいね。

プロフィール 所属・氏名:機械部 機電 主任 矢田和也 入社:1999年 主な経歴 機械工場所属→シールド工事施工管理→工場・マンション・病院・オフィス建設工事施工管理→技術開発(スカイジャスターほか)

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