タワークレーンの特徴・仕組み タワークレーンって何?

1.タワークレーンの特徴

重い荷を吊り上げたり、移動させたりするクレーンの中で、高層ビルや大型建造物の建設に欠かせないのがタワークレーンです。移動式のクレーンとは異なり、建物の敷地が狭く重機などの設置スペースのない建物の建設に適しています。移動式クレーンの入退場の経路や待機場所を考慮せずに済む容易さは長期間の設置にも適しています。タワークレーンは作業が終了すれば解体し、次の建設現場に移動して再び利用します。

2.クライミングは2種類

タワークレーンは高い建物をつくるために、自らよじ登ります。これをクライミングといい、フロアークライミングマストクライミングの2つの種類があります。

フロアークライミング

クレーンを据え付ける基礎部分に建設中の建物本体を利用できるため、鉄骨造(S造)の超高層ビルで使用するタワークレーンは通常フロアークライミングを採用します。クレーンを支える台座ごと建物をよじ登っていく方式です。作業半径を有効に活用できるため、比較的能力の小さなクレーンで効率良く作業ができます。

※近年では、超高層マンションなどの鉄筋コンクリート造(RC造)の建物も、躯体(骨組み)にPC工法(部材を前もって工場でつくる方法)を取り入れ、台座を受ける部分を工夫することで、フロアークライミングの採用が増えています。

マストクライミング

鉄筋コンクリート造(RC造)の超高層マンションやビルは一般的にマストクライミングのクレーンで建てられます。クレーンの台座は最初に設置した地上部分などの位置のまま動かず、クレーンを支えるマスト(支柱)を自ら上部に継ぎ足し、その伸びた部分をクレーン部分が登っていきます。建物とは別々に設置されますので、組み立てと解体が比較的容易にできます。

3.タワークレーンの仕組み

吊り能力

吊り能力とは、クレーンに負荷をかけられる最大の荷重のことで、ジブ(腕)の角度(傾斜角)で決まります。吊り荷の位置が遠くなるとジブをより倒すため、吊り能力が低くなります。重い荷を吊り上げる場合には、吊り荷を旋回中心に近づけます。

現在、大林組が大型建造物を建設する際によく使用しているタワークレーンの吊り能力は720tm(トンメートル)(※1)で、これは22.5mの作業半径なら一度に32tの吊り荷を揚げられる力を備えていることを示しています。※1(720tm ÷ 22.5m =32t)
また、現在大林組で所有しているもので最大は900tmと、より大きな吊り能力を有しています。

揚程(ようてい)

地上からマスト最上端までの高さの距離のことを揚程といいます。地下部分にフックが下がる場合はこの部分も加えます。現在の標準的なタワークレーンの揚程は最大300mでしたが、東京スカイツリーの建設に使われた特別仕様のタワークレーンでは、なんと最大揚程が420mです。

作業半径

クレーンの旋回中心から、フックなどの吊り具の先端までの距離を水平面に沿って測定した距離のことです。

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タワークレーンの研究

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