MOVIES動画で見るカーボンニュートラル
森林と共に生きる街 「LOOP50」建設構想
生活者15,000人を対象とした「LOOP50」は、森林資源を効率的に活用するために住宅や公共施設などを1カ所に集約。純木造の高さ120mのループ状の居住建物(ループ棟)とスパン100mのドーム型のエネルギーセンターで構成されています。
毎年ループ棟の3ヵ所あるスリット(開口部)のどこかで常に増築・解体が行われ、建物の新陳代謝が図られます。ループ棟の象徴的存在の心柱を建てる際には「立柱式」、解体する際には、エネルギー棟まで運ぶ「倒柱式」が住民参加で街をあげて行われ、森の恵みに感謝する機会となります。また、街の象徴となっているバイオマスプラントと製材・加工所が入るエネルギーセンターは、「LOOP50」が木資源で成り立っていることを住民にあらためて意識させる存在です。
現在では、わが国伝統の材料であった木材を、高度なエンジニアリングウッドなど、最先端材料にも変貌させることができるようになってきました。すべてのものを循環させるという主旨から、「LOOP50」では開口部にはガラスの代わりに、断熱性能も併せ持つ木質系透過素材を使用し、主要なLVL(単板積層材)のつづり材は接合剤として鉄製のビスの代わりに、近い将来に普及・量産が期待されている鋼鉄より軽くて強い植物繊維由来の素材であるセルロースナノファイバーを使用します。
コミュニティの皆で森を大切にし、皆でその恩恵を受けるという、森林のそばに集まって住むからこそできるこの環境は、どこにいても仕事ができるようになってきた昨今では、ありえない話ではありません。新しい時代の、森林と向き合う方法のひとつの提案です。