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品川駅東口再開発のリーディングプロジェクト

品川駅東口に広がる約35,000㎡の土地に、3棟の超高層オフィスビルと低層商業施設、ホール棟などから構成される品川インターシティの建設は、品川駅東口再開発のリーディングプロジェクト(A-1地区)である。当社は共同事業者としてプロジェクトに参画した。

「開かれた街づくり」「ひびきあう超高層」というコンセプトに基づき、楕円形の曲面を持つA棟に矩形のB・C棟を対比させ、透明ガラスを組み込んだ外装パネルを用いることで、周辺地域に圧迫感を与えない設計となっている。A-1地区に続いて整備された品川駅東口駅前広場デッキを起点とした歩行者専用通路(スカイウェイ)により、各建物までのアクセスはバリアフリーとなっている。

施工においては、各所で複合化・省力化工法を採用した。高層棟の鉄骨はユニットフロアの先組みを地上で行った後、タワークレーンで揚重し建ち上げたほか、B・C棟で採用されたPC・ガラス複層カーテンウォールは他で類を見ないもので、自然石洗い出しオムニア板とアルミサッシを同時に打ち込んだPCカーテンウォールを製作し、ガラスをはめ込んで工場から現場に搬入し取り付けた。A棟では6,000枚を超えるインターロック式アルミカーテンウォールを使用し、全面ガラス張りの外装となっている。その他、極軟鋼を用いた制振間柱やハイブリッド制振装置、炭素繊維薄肉PC版、ウェットスクリーン、床吹き出し空調システムなど、数々の技術が盛り込まれている。

膨大な量の資機材に対応するため、現場内に物流センターを設置し、資材の搬入揚重管理、荷捌きヤードの効率的な利用、産業廃棄物処理管理、人員輸送、物流施工データ管理を行った。これにより、工程を順調に消化することができたほか、現場周辺の交通渋滞をなくすことにもつながった。

1998年11月に竣工を迎え、1万人以上の人々が働く21世紀の新都心が姿を現した。翌年1月、当社は東京本社を移転、B棟に入居した。

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