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ニュージーランド初、大林組がミルクタンカーに地熱由来グリーン水素を供給

2024年09月27日
サステナビリティ

デュアルフューエルエンジントラックによる輸送時のCO2排出量 35%削減に貢献

大林組は、ニュージーランドのTuaropaki Trust(以下、トゥアロパキ・トラスト)(※1)と共同で設立した事業会社Halcyon Power Limited(以下、ハルシオンパワー)(※2)を通じて、タウポを拠点とする乳業会社Miraka(以下、ミラカ)(※3)のミルクタンカーにグリーン水素の定期供給を開始しました。

ミラカが導入したミルクタンカー「アオランギ号」

今回ハルシオンパワーは、ミラカが導入した水素と軽油の両方を燃料として動くデュアルフューエル(DF)エンジンを搭載したミルクタンカー「アオランギ号」への水素充填を担い、運用開始に協力しました。グリーン水素を使ったミルクタンカーの定期運行はニュージーランドでは初めての事例です。このアオランギ号は年間約16万5,000km走行し、繁忙期には 1日2回の水素補給を必要とします。従来の軽油トラックと比較し、水素も使うDFエンジンはCO2排出量を約35%、年間約100t削減(※4)することが可能です。水素ステーションの数がまだ限られるニュージーランドでは、水素だけでなく軽油も燃料として使用可能なDFエンジンが注目を集めています。

アオランギ号は、ニュージーランド最大の都市であるオークランドにも定期的に走行します。オークランド近郊のウィリに位置する、ニュージーランド初の商業規模のグリーン水素高速充填施設(2024年4月開業)も活用して水素供給を行う予定です。

ハルシオンパワーとミラカが拠点を構えるニュージーランド北島のタウポは、地熱資源に恵まれた地域として知られています。タウポでは、地熱エネルギーが発電のみならず食品製造や温室栽培、木材加工などの産業にも直接利用され、地域経済に貢献しています。

今回、地熱発電由来のであるグリーン水素の定期供給を開始することで、サステナブルな循環型コミュニティの進展に寄与します。

大林グループは、Obayashi Sustainability Vision 2050で掲げる、「『地球・社会・人』のサステナビリティの実現」に向けて、引き続きグローバル規模でカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

2024年9月4日にトッド・マクレーニュージーランド農業大臣臨席のもと「アオランギ号」のお披露目式が行われました(前列右から6番目 トッド・マクレー農業大臣、右から3番目 ハルシオンパワー 稲垣ヘッド・オブ・オペレーションズ)

  • ※1 トゥアロパキ・トラスト
    ニュージーランドの先住民マオリの地権者をオーナーとする信託組織
  • ※2 ハルシオンパワー
    大林組とTuaropaki Trustが共同出資して設立した大林組の合弁会社
会社名
Halcyon Power Limited
設立
2018年7月23日
所在地
ニュージーランド・タウポ
事業内容
タウポにおける地熱由来の水素製造・流通事業
株主構成
大林組50%、Tuaropaki Trust 50%
  • ※3 ミラカ社
    ニュージーランド・タウポを拠点とし、先住民マオリの人々を主要オーナーとしている乳業会社。ニュージーランドおよび世界初の地熱を利用した乳製品加工を行っており、とくに、粉乳製造においては、高温の地熱蒸気を熱源とした牛乳の乾燥を行っており、石炭を使う従来型の乾燥工程と比較し92%のCO2削減を達成しています。環境に配慮したサステナブルな経営を重視している
  • ※4 アオランギ号の年間CO2削減量
    ミラカ社が所有する従来のミルクタンカーと比較し、CO2排出量は年間約100t削減(アオランギ号の年間走行距離を基に同社算出)

関連情報:【事業紹介】海外グリーンエネルギー 水素

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