大地の色と表情
アーチーズ国立公園/アメリカ
2000を超える岩のアーチや石柱が広がる世界最大級の奇岩地帯。地中の塩の層の上に砂岩層が堆積し、その重さで塩の層が流動して砂岩層が隆起。その後、侵食によって削られるとともに、鉄分を多く含む砂岩が酸化し、赤茶色の奇岩群が形成された。
グンヌクヴェル/アイスランド
レイキャネス半島にある活発な地熱地帯。鉄分の酸化による赤やピンクの土壌に、乾燥したひび割れが白い網目状のラインを描く。所々に見える青灰色の斑点は、酸化していない鉄分や、熱水に溶けたシリカが太陽光を青く乱反射させることで生まれたもの。
マーブル・カテドラル/チリ
ヘネラル・カレーラ湖にある大理石の洞窟群。石灰岩が変成してできた大理石を氷河が侵食し、滑らかな曲線を持つ複雑な造形を生んだ。壁面が湖水の色を反射し、神秘的な青色に輝く「青の洞窟」として知られる。
レンソイス・マラニャンセス国立公園/ブラジル
高純度の石英で構成された純白の大砂丘。「レンソイス」はポルトガル語で「シーツ」を意味する。アマゾン川から大西洋に流れ出た石英が海流と強風で内陸へ押し戻されて堆積。波や風によって研磨された石英が光を乱反射し、白い輝きを放っている。
ダナキル低地/エチオピア
3つのプレートが交差するアフリカ大地溝帯に位置する海抜-115~125mの低地。「地球上で最も暑く、低い」場所の一つとされる。なかでも活火山であるダロール周辺では、温泉が硫黄や鉄分、塩分を伴って噴出し、黄、緑、赤の結晶群や塩の奇岩による特有の光景が生み出された。
バルデナス・レアレス自然公園/スペイン
ヨーロッパ最大級の半砂漠地帯。幾重もの粘土、石灰岩、砂岩の地層が侵食を受け、平らな台地と断崖、孤立丘が並ぶ荒涼とした景観が形成された。
須佐(すさ)ホルンフェルス/山口県
約1500万年前、マグマの熱により砂岩や泥岩が熱変成を受けてできた変成岩の断崖。灰白色(砂岩由来)と黒色(泥岩由来)の縞模様が特徴。
ウェルカム・マウスの褶曲した岩石層/イギリス
3億年以上前の地層。ヴァリスカン造山運動(大陸衝突などによる大規模な地殻変動)の強い圧力で、もともと水平だった砂岩と泥岩の地層が深く褶曲。この激しい変形作用が、現在の特徴的な崖の景観をつくり出した。
張掖丹霞地貌(ちょうえきたんかちぼう)/中国
「中国丹霞」の一部。赤い堆積岩が隆起した切り立った断崖などを特徴とする地形を「丹霞」と呼ぶ。赤、黄、白、緑などの縞模様の砂岩、礫岩からなり、「七彩山(なないろさん)」の別名を持つ。
Strata
ジョアン・ミッチェル 1960年頃
米国のジョアン・ミッチェル(1925~92)は、ニューヨーク・スクールで頭角を現し、40年以上にわたり抽象表現主義の旗手として活躍した。本作は、記憶の中の風景や感情を力強い筆致で色彩の層(Strata)として塗り重ね、大地の奥行と時間の蓄積を表現している。(油彩、129.9cm×197cm×2cm)
Four Strata Works
ミカエル・ハルストレム 2025
デンマークのミカエル・ハルストレム(1979~)は、社会人類学の修士号を持つ独学のビジュアルアーティストで、自然と文化の関係を概念的かつ形式的に探求している。本シリーズでは、地層を意味する名のとおり地質学的な堆積をテーマとし、完全に乾燥させた層に新たな色を重ねる緻密な工程を繰り返し、時の蓄積や自然の変容を表現した。(水彩、30cm×40cm)
ma.r.sシリーズ
トーマス・ルフ 2014
現代ドイツを代表する写真家トーマス・ルフ(1958~)は、革新的なアプローチで知られる。本作は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機が撮影した高解像度の画像をもとにデジタル技術で着色・加工したma.r.s.シリーズ(2010~2014年)の一つ。垂直に見下ろす形で撮影されたモノクロ画像を斜めからの視点へと変換し、さらに色彩を加えることで、遠い火星の表面を、すぐ手が届くような、どこか親しみやすささえ感じさせる外観へと変貌させた。
IRB_ma.r.s.03 トーマス・ルフ 2014
IRB_ma.r.s.04 トーマス・ルフ 2014
IRB_ma.r.s.01 トーマス・ルフ 2014
RGB_ma.r.s.02 トーマス・ルフ 2014
ma.r.s.07_I トーマス・ルフ 2012
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No.65「大地」
生命を育み、地球の豊かな自然環境を支える大地。私たちは日々、その恵みを受けて暮らしています。大地はどのように生まれたのでしょうか。また、地球以外の惑星に、大地は存在するのでしょうか。
本号では、人々の暮らしに根づいた世界各地の色彩豊かな大地の表情を紹介し、その成り立ちについてもひもときます。また、大林プロジェクトでは、火星のクレーターに大地をつくり、生命を育む環境を創出するという宇宙規模の誌上構想に挑戦しました。大地が育む自然の豊かさ、尊さを見つめ直し、未来の地球環境を考えます。
(2026年発行)
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大地の色と表情
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地球の土・惑星の土
藤井一至(福島国際研究教育機構 土壌ホメオスタシス研究ユニット ユニットリーダー)
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宇宙の土地は誰のもの?—惑星「地球化」の倫理を考える
元村有希子(同志社大学生命医科学部特別客員教授、毎日新聞社客員編集委員)
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テラフォーミング―火星における生態系の創成と復元
クリストファー・P・マッケイ(惑星科学者、NASAエイムズ研究センターシニアサイエンティスト) 訳:竹内 薫
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OBAYASHI PROJECT
火星の大地創成—クレーターのパラテラフォーミング
構想:大林プロジェクトチーム
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赤い大地の夢—火星移民の500年
竹内 薫(サイエンス作家、ZEN大学知能情報社会学部教授)
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アイスランドの"土の家"
藤森照信(建築史家・建築家、東京都江戸東京博物館館長、東京大学名誉教授)
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