ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier

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コンセプト

Concept

When Women thrive, humanity thrives ともに生き、ともに輝く未来へ

ウーマンズ パビリオンは、内閣府、経済産業省、カルティエおよび公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が、国内外の女性活躍に向けた取り組みを紹介することを目的に、連携・協力して出展するパビリオンです。いのち輝く未来のためにすべての人々が平等で尊敬し合い、それぞれの能力を発揮できるよりよい世界をデザインすることをめざし、パビリオンでの体験などを通して来場者に学びや気づきを与えられるよう、準備が進められています。

パビリオンの建設では、ドバイ万博(Expo 2020 Dubai)の日本館(大林グループ会社が建設担当)で使用したファサードのリユースをはじめ、CO2排出量を削減する工夫を取り入れ、サステナブルなパビリオンを実現します。

大林組の取り組み

Our efforts

大林組は、基本設計段階から検討チームに参加し、カーボンマネジメントに取り組みました。パビリオンは通常の建物に比べ使用期間が短く、施工段階のCO2排出割合、特に建設資材製造時のCO2排出量の割合が80%以上と極めて高いという特徴があります。

通常資材を仕様した場合のScope(※1)、カテゴリー別のCO2排出量

建物重量比の大きい鉄骨やコンクリートにおける低炭素型素材の活用、ファサードのリユース、および基礎鉄骨のリース材の活用といった対策を効果的に行うことで、通常の建設資材を使用した場合と比較して、CO2排出量を約50%削減できる見込みです。


※1 国際的な温室効果ガス排出量の算定と報告の基準として開発された「GHGプロトコル」で定められた温室効果ガス排出の区分
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3:Scope1、2以外(事業者の活動に関連する他社の間接排出)

建設資材製造時のCO2排出量の比較
各取り組みによるCO2排出量削減効果
主要鉄骨材を高炉鉄骨から電炉鉄骨へ置き換え

主要鉄骨部材の約75%を電炉鉄骨とすることで、約200t-CO2を削減します。

ドバイ万博日本館のファサードのリユース
2021年10月から2022年3月まで開催されたドバイ万博の日本館ファサード
提供:2020年ドバイ国際博覧会日本館

ウーマンズ パビリオンでは、ドバイ万博(Expo 2020 Dubai)日本館で使用されたファサードを再利用(リユース)します。ドバイ万博日本館のファサードは、ドバイ万博閉幕後、経済産業省から大林組が購入(※2)し、その後、大林組で解体、保有、管理していました。今回、ウーマンズ パビリオンでの利用希望の意向を受け、大林組から提供することになりました。

パビリオンでの活用は表面積で約1,000㎡。トン数で約20t。部材数で約6,500パーツです。

ファサード材を新規で製造すると約45t-CO2のCO2を排出しますが、ファサードをリユースすることでCO2排出量をゼロにします。


※2 2022年2月16日に公表された平成31年度国際博覧会政府出展事業(ドバイ国際博覧会に係る政府参加準備業務)(国庫債務負担行為に係るもの)に係る処分予定財産需要調査一覧(公募)に大林組が応募をして購入しました

基礎部分の鉄骨梁を仮設山留材(リース材)に転換

パビリオンの基礎部分には鉄骨梁を使用します。これを新規で製作すると約180t-CO2を排出しますが、工事現場などで活用する仮設の山留材をリースで活用することでCO2排出量をゼロにします。解体後は再度、山留材としての活用が可能です。

低炭素型コンクリート「クリーンクリート®」の採用

パビリオン基礎部分に使われるコンクリートは、大林組開発の低炭素型のコンクリート「クリーンクリート」(※3)を採用しています。これによりCO2排出量を一般のコンクリート使用時に比べ約44t-CO2削減でき、60%の削減効果となります。


※3 低炭素型コンクリート「クリーンクリート」
セメントの一部を、高炉スラグ微粉末(鉄鋼製造からの副産物)やフライアッシュ(石炭火力発電からの副産物)などCO2排出量の少ない産業副産物に置換することで、一般的なコンクリートに比べてCO2排出量を最大80%程度低減させる大林組が開発したコンクリート

生産性向上(RX、DXなど)への取り組み

ビジュアルプロジェクト管理システム「プロミエ®」を使用した工事進捗と部材管理

ファサードは球状部材(以下、ノードという)2053ピースと棒状部材(以下、チューブという)195種類を組み合せることで、立体的な骨組み形状を構築します。

再組み立て時には、各部材の使用位置が決まっていますが、部材の数量が膨大で、ドバイ万博終了後の、解体・保管した状態のままでは、組み立てが煩雑になります。この課題解決に大林組開発のプロジェクト管理システム「プロミエ」を利用します。ファサードの各部材に刻印された「固有識別番号」に着目し、BIMモデルに入力した搬入予定日など施工上の「部材情報」を「プロミエ」によりひも付け、QRコードを各部材に貼り付けて識別を容易にすることで、部材の仕分け、施工位置の把握、部材の搬入、組み立てについて25%程度省力化することが可能です。

ウェルビーイングな取り組み

ウーマンズ パビリオンは、女性活躍をテーマにSDGsの達成を目的としており、大林組も工事事務所員に積極的に女性を配置するなどウーマンズ パビリオンのテーマ実現を支持しています。またジェンダー、国籍、文化、世代および障害(※4)の有無などにとらわれることなく、多様な人材が等しく活躍できる職場づくりと活躍推進に取り組んでいます。

ヘラルボニーと協働して工事事務所職員のサイトウェアを制作
採用したアートの作家 八重樫季良氏

ヘラルボニーは知的障害のあるアーティストが描く作品をさまざまなモノ・コト・バショに落とし込み、社会に提案する事業を展開しています。大林組が施工に携わるウーマンズ パビリオンや万博のテーマである、他者への共感を育み多様な文化や考え方を尊重することを表明するために、サイトウェア(現場作業服)のコラボレーションを企画しました。


デザインは八重樫季良(やえがしきよし)氏の作品を採用しています。八重樫季良氏は、ダウン症による知的障害がありました。一見抽象的な幾何学パターンを描いたように見えるデザインは、独自のアレンジによって描かれた建築物であり、八重樫氏はこの表現様式を子どもの頃、誰に習うことなく独創によって生み出し、以来半世紀余りにわたり、このただ一つのスタイルによる創作を続けました。このスタイルが生まれたのは、父親が大工であり、「建築図面」が身近にある生活を送ってきた彼にとって必然だったのかもしれません。

サイトウェアに採用した八重樫季良氏の作品「無題」

採用されたデザインは、抽象的な幾何学のパターンに、カラフルな色彩で描かれ、多くの人の目を引きつけるとともに、大林組社員の建設への思いを増幅させてくれます。

サイトウェア制作意見交換
サイトウェアを着用した大林組社員

※4 「障害」の表記について
「障害」という言葉については多様な価値観があり、それぞれの考えを否定する意図はないことを前提としたうえで、社会側に障壁があるというヘラルボニーの考え方に賛同し、「障害」という表記で統一しています

News

施設概要

Facilities

工事名称 2025年日本国際博覧会 ウーマンズ パビリオン新築工事
施設規模 建築面積:1,185.76㎡
延床面積:1,708.38㎡
構造:S(鉄骨)造
階数:2階建て
発注者 リシュモン ジャパン株式会社 カルティエ
設計監理者
有限会社永山祐子建築設計
オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド
施工者 株式会社大林組
展示・運営 展示:株式会社乃村工藝社
運営:株式会社コングレ
工期 新築:2023年10月23日~2025年1月31日
解体:2025年11月1日~2026年4月10日(予定)

2025年
大阪・関⻄万博について

About Expo 2025 Osaka, Kansai, Japan

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)は、
2025年4月13日(日)から
10月13日(月)までの
184日間、大阪・夢洲で開催されます。
テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。
2005年に開催された愛・地球博に続き、
20年ぶりに日本で開催される国際博覧会です。