環境保全行動計画を策定

地球環境の保護は、1992(平成4)年にブラジルで開催された「環境と開発に関する国際連合会議」(地球サミット、リオ・サミット)などから日本でも一般化し、企業経営にとっても課題の一つとなった。

当社が1990年4月に発表した企業理念は、「自然と調和し、地域社会に溶け込み、豊かな文化づくりに寄与する。」と謳い、建設事業の環境負荷の高さを踏まえ、地球環境の保護を理念の一つとしていた。同年5月、エンジニアリング本部に地球環境部を新設した。設置の趣旨は、地球環境問題は全社的な問題であると同時に、長期的な対応が必要であることから、東京本社に専門の対応部門を設けることとしたもので、建設業界では他社に先駆けた設置であった。1991年12月には、津室隆夫社長の諮問機関として環境保全推進委員会を設け、基本方針と推進方策の検討を進め、1992年7月には「大林組環境保全行動計画」を策定し、事業と環境保全の両立をめざして全社的な活動を本格化させた。同計画は「1.環境への配慮」「2.技術開発等」「3.啓発・広報活動」「4.社内体制」「5.部門毎の環境保全活動計画」からなる。企画、計画、設計、資材調達、工法、完成建築物、技術開発などについて環境保護を考慮することとし、省エネルギー、省資源、廃棄物削減、再生可能資材の採用などに努力することを定めた。また、委員会による年1回の進捗状況チェックや、関係会社、協力会社への適用・支援も明記した。1992年11月には技術研究所に環境研究センター(現 環境工学実験棟)が完成し、環境保全技術の開発を加速した。