これも地図?

魔女仰臥図

20世紀

チベットの世界観を表した魔女の形の地図。チベット高原に横たわる魔女が災いを起こさないように、魔女を抑える釘として両手両足の関節に当たる各地に寺院を建立し、仏教国となった伝説を描いている。ノルブリンカ所蔵

©アフロ

ポイティンガー図

4世紀頃(13世紀写本・1887年複製)

4世紀頃のローマ帝国とその周辺、ローマを拠点とした道路、道沿いの都市や宿駅のほか、山脈、森林、河川などが描かれた地図。統一された地図記号や都市間の距離などが記され人が移動するために利用。(長さ6m75cm、高さ35cm) オーストリア国立図書館所蔵

(全体図)

©アフロ

(部分)

プトレマイオス図

2世紀頃(15世紀半ば写本)

ギリシャの数学者プトレマイオスが作成した地図。球体である地球を平面に描くため、投影法として正距円錐図法が使われ、緯度経度の概念も導入。大英図書館所蔵

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ヘレフォード図

1290年頃

現存するマッパ・ムンディ(中世ヨーロッパで描かれた世界地図)の中で最大の物。上質な皮紙に、赤や黒のインク、金箔などを用いて描かれている。(幅133cm×高さ158cm) ヘレフォード大聖堂所蔵

ヴァルトゼーミュラーの世界地図

1507年

ドイツの地図製作者マルティン・ヴァルトゼーミュラーによって作成された世界地図。新大陸アメリカと太平洋が地図史上初めて掲載され、ヨーロッパ人たちの認識を大きく変えた。

クローバー型主題図

1581年

ドイツの牧師ハインリヒ・ビュンティングが作成した世界の3地域(ヨーロッパ、アジア、アフリカ)をエルサレムを中心とするクローバーの葉で表現した地図。エルサレムを中心とするキリスト教的世界観が表されている。

行基図

『拾芥抄(しゅうがいしょう)(写本)』1656年より

古式の日本地図。奈良時代の僧侶・行基が作ったとする説があるが、当時作成されたものは現存しておらず、真偽は不明。ただしこの図が後々まで日本地図の原型として用いられ、江戸時代中期に長久保赤水や伊能忠敬が現れる以前の日本地図は、この行基図を元にしていたとされる。

サリバの世界の構造地図

1593年頃

マルタの地図学者、天文学者、神学者、哲学者、アントニオ・サリバにより作成。8つの元素球が同心円上に描かれている。宇宙を中心に、地球の地下、地表、地図、自然現象、最外円は最高天の火と光となっている。

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アイスランドの風景と伝説上の怪物

1598年

世界初の近代的地図帳オルテリウスの「世界の舞台」に描かれたアイスランドの地図。川、山、フィヨルド、氷河、集落など当時の風景と、へクラ山の噴火、伝説上の海の怪物達の姿が描かれている。

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ウィットビーからダラムへの道

『ブリタニア』1675年より

スコットランドの翻訳者、ジョン・オギルビーが出版した道路地図の一部。巻物状の地図を短冊状に配置している。

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理想的な地殻の平均値

アレクサンダー・フォン・フンボルト 1851年

近代地理学の祖と称されるドイツの地理学者、フンボルトの著作『コスモス』に掲載された、地殻の組成を色分けしたプレート。

ITALY & ENGLAND

『GEOGRAPHICAL FUN』 1869年より
様々な国の形をユーモラスに描くシリーズ。

統一運動を推進したジュゼッペ・ガリバルディ将軍として描かれたイタリア ©アフロ
大英帝国の繁栄を象徴するヴィクトリア女王として描かれたイングランド ©アフロ

参宮上京道中一覧双六

歌川広重 1857年

鮮やかな多色刷りで街道と宿場が描かれている浮世絵。宿場だけではなく、その間の道筋も俯瞰的な目線で描かれていて、沿道の地形や坂の緩急などが誇張されつつ巧みに表現されている。

Jerry's Map

ジェリー・グレッツィンガー 2016年

アメリカのフォーク・アーティストによるコラージュ作品。A4サイズ大のパネルを組み合わせていて、日々、更新・拡張を続けている。パネル総数は3,200枚以上。

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The Earth

松田光一 2015年

和歌山県出身の画家。世界各地を訪れ「絵を通じて人々を繋ぐ平和の心を創りたい」と、世界遺産や絶景などをモチーフとして描いている。世界を旅して感じた想い、感動を込めて2011年からの数年間、毎年1枚の地球の絵を描いた。

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この記事が掲載されている冊子

No.64「地図」

地図は、人を未知の世界へと誘い、人はその一枚にワクワクさせられます。
私たちは、古くは岩に掘られた地図や歴史上の古地図、現代では衛星によるデジタル地図まで、様々な地図によって世界を認知してきました。世界の形や全体像が視覚化されるだけでなく、時には空想の世界が地図上に構築されることもあります。
本号では、様々な地図を題材に、人々がどのように世界を観ようとしてきたか、何を観ようとしているのかなどを考察します。大林プロジェクトでは、国学者、本居宣長が19歳のときに描いた架空の都市図「端原(はしはら)氏城下絵図」の読み解き、立体復元に挑戦しました。
(2025年発行)

グラビア:これも地図?

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地図とは何か

森田喬(法政大学名誉教授)

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地図最前線―現在から未来へ

若林芳樹(東京都立大学名誉教授)

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見えている世界、見えていない世界

大田暁雄(武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科教授)

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地図を描く少年の夢と孤独

吉田悦之(本居宣長記念館名誉館長)

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OBAYASHI PROJECT

本居宣長の空想都市「端原氏城下絵図」を読み解く

想定復元:大林プロジェクトチーム

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シリーズ 藤森照信の「建築の原点」(15) 日本水準原点標庫

藤森照信 (建築史家・建築家、東京都江戸東京博物館館長、東京大学名誉教授)

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地図雑学

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