ビル建設の技術革新
進化し続けているBIM活用
大林組のビル建設における
BIM活用の取り組みは、
新たなステージに入っている。
2018(平成30)年に大阪の病院建設工事で、
プロジェクト関係者が一つのモデルから情報を出し入れする
「ワンモデルBIM」を本格的に導入。
意匠
設備
構造
生産
ワンモデルBIM
単なる3Dモデルによる施工の見える化ではない。
「ワンモデルBIM」では、必要な情報をBIMモデルから絞り込む(抽出する)ことで、意匠図、構造図、確認申請図、生産設計図(施工用図面)などの
あらゆる2次元図面生成が可能となっている。すべての関連情報が連動しているため、
設計変更などの修正があっても一度の処理で全図面に反映される。情報の同期化により生産性の向上も実現した。
これにより設計者、施工者、協力会社が
パソコンやタブレットで最新データを確認、活用でき、BIMモデルの設計・施工での一貫利用の効果が具現化されたのである。
2020(令和2)年4月に着工した北海道ボールパーク(仮称)建設工事(2023年開業予定、その後、球場の名称は「ES CON FIELD HOKKAIDO(エスコン フィールド HOKKAIDO)」に決定)では、コンペ段階からBIMを導入し、設計・施工で活用している。
北海道にふさわしい豊かな自然環境を活かした
ボールパークの中心となる球場は、
快適な観戦環境の確保と天然芝フィールドの実現を目標に
日本最大級の
可動屋根を採用し、
これまでにない特徴的な外観を創出、
また訪れるすべての人が楽しめるよう、フィールドが見渡せる
360度回遊型
コンコース
を採用している。
開閉式屋根の球場で天然芝を採用するのは国内初であるため、
施設内の環境条件から芝の生育状況を高精度で予測できるシステム
「ターフシミュレータ」を適用し、芝が良好に生育することを
確認したうえで提案した。
大林組は2020年度着工のプロジェクトから、
原則すべての建築工事で標準BIMモデルを作成し、
現場でBIMを活用しながら建設に関連するすべての情報を蓄積している。
こうした実績は、生産情報伝達のあり方の追求と相まって、
さらなる建設DX推進にもつながっている。