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  • セントラルタワー
  • ビュータワー

解説

大崎駅東口に新たな街をつくる

大崎駅東口第3地区第一種市街地再開発事業(アートヴィレッジ大崎)は、JR山手線に面した2.5haの敷地にオフィス(セントラルタワー)、賃貸マンション(ビュータワー)、分譲マンションの3つの建物を建設し、副都心にふさわしい街づくりをめざすものである。当社は特定業務代行者および再開発組合の一員として事業計画の段階から参画、社内の開発・土木・建築部門などが連携して不動産、設計、施工、マネジメントなどの多岐にわたる業務を推進した。

施工では、セントラルタワーを当社単独で、ビュータワーを他社と共同で担当した。セントラルタワーは外壁にLow-Eペアガラスのカーテンウォールを用い、断熱性、遮熱性を確保しながら、より透明性の高いファサードをめざすことで建物の先進性と機能性を表現している。地下躯体工事は逆打ち工法とし、杭、外壁、山留め壁を兼用した地中連続壁(OWS工法)を採用。接合部は止水に対して有効なCWSジョイント工法で施工した。

地上躯体工事では、建物の中心部を全自動ビル建設システム「ABCS」、その周囲を在来工法で施工する複合型ABCS工法で施工した。建物の基準階平面が現有のABCS装置の対応範囲より広いための苦肉の策だったが、1フロアを5日間のペースで鉄骨建て方、溶接、資材揚重を終え、結果的にABCS工法の適用範囲を拡大するモデルケースとなった。耐震機能の向上のためブレーキダンパーウィングビームを採用している。

ビュータワーは隣接するセントラルタワーとの連続性、調和を考慮し、バルコニー手摺に熱線吸収ガラスを採用することで透明感、軽快感のある都市空間を創出している。品質確保と工程厳守のために、LRV工法による躯体のフルPC化を選択。PCの製作工場には当社職員が常駐し、製作管理にあたって品質維持に努めた。1フロア施工するごとに検討を重ね、最終的に1フロア4日タクトでの躯体施工を実現、大幅な工期短縮を図ることができた。

アートヴィレッジ大崎には、高層ビル3棟が建ち並ぶことから、ビル風対策として、当社が開発したモニュメント型の防風装置「フロープス」が設置されている。巨大なピーマンをモチーフにしたデザインで、白い種子に見立てた風車が回転してビル風を緩和する仕組みである。

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