大林組ダム情報化施工技術「ODICT®

Obayashi-Dam Innovative Construction Technology

 

現場担当者からのメッセージ「早明浦ダム編」

早明浦ダム再生JV工事事務所 主任 稲田悠凜孝
早明浦ダム再生JV工事事務所 主任 稲田悠凜孝

早明浦ダム再生JV工事事務所 主任

稲田 悠凜孝

雨が多い現場ならではの気配り

学生時代の専攻を生かして土工事を担当、現在は工事のために川をせき止める、仮締切のための足場づくりに関わっています。具体的には、材料の搬入や施工担当会社間の時間調整といった工程の管理を行い、施工計画書などの書類作成にも携わっています。
資材管理の面では受払簿を用意したり、掘削をメインで行うときには1日の掘削量をダンプトラックの台数に換算してデータを管理するなど、自分なりの工夫を凝らし、工程に反映させています。

この地域は特に雨が多く、工事の進捗を左右するため、同僚と一緒に降雨量と掘削量を毎日確認、管理することが習慣となりました。
また、供用中のダムでの工事ということもあり、掘削した土砂が雨で流されないかという点には細心の注意が必要です。濁水処理プラントまで側溝を設ける、流出する可能性のある場所には土のうを積む、水溜場を作ってポンプでくみ上げるなど、複数の対策を絡めて流域の人たちの暮らしを守るよう心がけています。

今回の工事は地域の人たちの生活圏で行っているので、理解や協力を得るのも大事。先日も同僚と一緒にマラソン大会に参加するなど、地元のお祭りやイベントには積極的に顔を出してコミュニケーションを深めるよう努めています。

早明浦ダム再生JV工事事務所 主任 稲田悠凜孝

早明浦ダム再生JV工事事務所 主任

稲田悠凜孝

早明浦ダム再生JV工事事務所 工事主任 紀平 悠史
早明浦ダム再生JV工事事務所 工事主任 紀平 悠史

早明浦ダム再生JV工事事務所 主任

紀平 悠史

現場ごとに異なる機械の違いを知見として蓄え、将来に生かす

学生時代は「画像検出による錆(さび)検知」をテーマにプログラミング畑で研究。入社後は機電職として駅の建設やトンネル工事など、工種の異なる3つの現場を経験しています。
今回の早明浦ダム再生工事では、タワークレーンの組み立てや管理、生コン製造設備の組み立て、削孔機械の保守・点検などを担当。特にタワークレーンの組み立てにおいては、度重なる雨の影響で計画通りに進まず、当地ならではの難しさを感じました。

ダム工事の現場は初めてであり、これまで扱ったことのないダム特有の機械を管理しなくてはなりませんが、基本はどれも似ています。そのなかで何が違うのかという点を知見として蓄えながら仕事に取り組んでいます。
また、今回の現場では大林組が開発した水浸式のコンクリート骨材計量システムを技術提案として取り入れています。この技術をどのようにコンクリート製造設備に組み込み、運用するのか、新たな経験を積めることが、今からとても楽しみです。

日々仕事をするうえで意識しているのは、当たり前かもしれませんが、現場にいる仲間の名前を覚えること。あいさつや会話をする際は、できる限り相手の名前を呼びかけてお互いの距離を縮め、いざというときに助け合う関係づくりを心がけています。
過去の現場でお世話になった先輩で、ひょうひょうとしていながらも要所では毅然と意見を述べ、行動力もあり、部門や立場を超えて頼られている人がいます。その人のようになるのが目標です。

早明浦ダム再生JV工事事務所 工事主任 紀平 悠史

早明浦ダム再生JV工事事務所 工事主任

紀平 悠史

山﨑建設株式会社 作業所長 中場 鋭二
山﨑建設株式会社 作業所長 中場 鋭二

山﨑建設株式会社 作業所長

中場 鋭二

住民の生活圏という点にも配慮しながらの工事

私たちは土工担当として、20t級のバックホウやブルドーザー、10tと4tの振動ロードローラーといった大型重機を用いて掘削工事や盛土工事、仮設道路の敷設などを行っています。

ダム工事といえば何もないところからつくり始めるのが基本ですが、ここは別。構造物工事のため、資材を置いておくヤードのスペースが限られているので、実際の作業を行う各社でうまく融通しあいながら最低限の場所を確保して仕事をしなくてはなりません。
また、地域の皆様の生活圏内での工事であるため、現場への資材搬入やダンプトラックによる掘削土の搬出も時間を決め、近隣の皆様の迷惑にならない時間帯に行うようにしています。
さらに、雨の多さもこの現場ならではのことです。泥を外部に出さないよう、これまでの現場では使ったことがなかったプラスチック敷板を活用。今回使ってみて大いに役立つことが分かりました。そのほか、騒音対策にも気を使っており、コンクリートの解体などで使う機械はすべて静音タイプでそろえています。

この工事を統括する所長はとても熱心な人で、その想いは現場の隅々にまで行きわたっています。所長の熱い気持ちに応えるべく、私も一責任者として仕事を休むことがないように健康に気をつかうのはもちろん、可能な範囲で誰よりも早く現場に顔を出し、その日の状況をしっかりと把握できるよう努めています。

山﨑建設株式会社 作業所長 中場 鋭二

山﨑建設株式会社 作業所長

中場 鋭二

岸本建設株式会社 工事部 次長 大西 誠
岸本建設株式会社 工事部 次長 大西 誠

岸本建設株式会社 工事部 次長

大西 誠

「四国のいのち」を職人技で再生

今回の工事では、コンクリートを使った構造物全般の構築を担当。現在は堤体を削孔するためのドリルジャンボが載る足場を施工しています。

工事の対象となるのは、「四国のいのち」とも称される早明浦ダム。地域の人々の生活に関わりの深いこのダムを稼働させながらの作業ということで、水質をはじめさまざまな点に気を配らなくてはなりません。
また、既設のダムの堤体に孔(あな)をあけるというのは、私たちにとって初めての経験。これまでにあまり例がない稀有な工事ということで注目を浴び、見学者が多く訪れ、資材の置き方一つにも気を配るなど、思っていた以上のプレッシャーを感じています。

土木工事の現場でも機械化やICT化が進んでいますが、最終的に行き着くのはやはり職人技。私たちの仕事は多様な専門分野のプロフェッショナルに頼るものなので、彼らの持つ技術がいかんなく発揮され、それらが組み合わさったチームとしてのパフォーマンスが最大限に引き出せるよう、一人ひとりと密なコミュニケーションをとり、取りまとめています。

私が岸本建設に入ったのは1995年で、最初に携わった仕事が阪神・淡路大震災からの復旧工事でした。そこで目の当たりにした大規模な建造物の倒壊は、いまなお心に強く印象を残しています。
私たちが造る構造物は、工事中は現場の仲間や他業者の命に、完成後は一般の多くの人々の命に関わるもの。品質はもちろん、安全管理の面でも責任感を持って仕事に取り組んでいきたいと思います。

岸本建設株式会社 工事部 次長 大西 誠

岸本建設株式会社 工事部 次長

大西 誠

大谷総業株式会社 工事部 工事長 山田 誠
大谷総業株式会社 工事部 工事長 山田 誠

大谷総業株式会社 工事部 工事長

山田 誠

安全で作業のしやすい足場を日々改良

足場仮設工事を担当する私たちにとって、ダム建設現場での本格的な仕事は今回が初めて。しかも、既設の堤体に手を加える特別な工事ということで、大きなやりがいを感じながら、「安全かつ品質第一」の揺るがない気持ちも持って仕事に当たらせていただいています。

こちらの現場では、「改正労働安全衛生規則対応の手すり先行工法で部材は軽量コンパクト」「厳しい現場基準にも対応した進化型足場」「作業性、安全性、拡張性に優れた次世代くさび緊結式足場」「床の天地方向への間隔が広い」「現場の条件に合わせて高さが変えられる」といった画期的なメリットを備えた自社材の「NDsystem ダーウィン」を使用。私たちが組んだ足場を使うすべての人たちがより安全に、より作業しやすいよう、常に意見を聞きながら現場で改良を重ねるということを全員で行っています。

足場の仮設工事は、一緒に作業を行う仲間がいて、はじめてできるもの。管理者として彼らの家族のことも考えて事故や怪我が発生しないように留意するとともに、それぞれが連携をとりながら意識高く仕事を遂行できるよう、日頃から進んで声を掛け、意思疎通が図れるよう気を配っています。
また、ダム再生工事全体という視点では元請け担当職員や現場の仲間たちとのコミュニケーションも大切です。食事中や休憩中にもなるべく自分から話しかけるように意識しています。

大谷総業株式会社 工事部 工事長 山田 誠

大谷総業株式会社 工事部 工事長

山田 誠