大林組ダム情報化施工技術「ODICT®

Obayashi-Dam Innovative Construction Technology

 

ダムをつくる人たち

STAFF INTERVIEW

大林組が考えるダム建設・技術の未来

大林組土木本部 生産技術本部 ダム技術部 部長

内藤 明

ダム建設と他の土木工事との違いは?

ダム建設には、土工、河川、トンネル、道路、橋梁、コンクリートなど、土木工事のあらゆる要素(工種)が含まれます。その意味では、まさにダムは“土木技術の集大成”といえる構造物です。
一般的な土木工事と比べて規模が大きいのはもちろん、工期も長く、工程もより複雑です。また、コンクリートの製造・運搬設備、電気・給排水設備、作業員の宿泊施設など、現場設備なども多く必要となります。
複数の企業によるJV(ジョイントベンチャー:共同企業体)で工事を請け負うのは、このように大規模で技術的課題が多く、また行政機関や地域との連携が必要であるなどの理由からです。そのため、非常に多くの人が関わり、それらを一つにまとめあげる総合的なマネジメント能力が問われるプロジェクトであるといえます。

ダム建設における大林組の実績は?

大林組は、1956年に竣工した北海道の糠平ダムなどの重力式コンクリートダムや、1964年に竣工した京都府の天ヶ瀬ダムなどのアーチ式コンクリートダム、1990年に竣工した岐阜県の阿木川ダムなどのロックフィルダムなど、すべてのダム形式の建設に携わってきた実績があります。
また、特徴的なものでは国内でダム本体に本格的にRCD(Roller Compacted Dam-Concrete)工法を採用した島地川ダム、7世紀前半につくられた日本最古のため池である狭山池の嵩(かさ)上げなどがあります。

内藤 明

ダム建設における技術開発への取り組みは?

技術開発では、ダムコンクリート自動運搬システムで熟練オペレーターでも難しいケーブルクレーンの運転の自動化を先駆けて実用化し、多くのダムに採用されました。さらに、コンクリート骨材水浸計量システムやダムコンクリート締固め判定システムなど、ダム品質の高度化に寄与する技術も高く評価されています。
近年では、ドローンやICT技術を活用した設計、自動化・無人化施工、品質管理、安全管理などにも注力しています。また、建設技術だけでなく、画像処理によるコンクリートのひび割れ計測や水中点検ロボットなど、これからの時代に向け、既存のダムを維持管理するための技術開発・実用化も推し進めています。

ダム建設のやりがい・印象に残っている出来事は?

やはり、建設に携わったダムが地域の防災、水不足の解消に役立っていることでしょうか。実際にダム建設中に上流で大雨が降った際、下流域では洪水が発生せず、ダムの効果を実感したこと、そして地域の方の喜びの声を聞けたことが非常に印象に残っています。
また、近年ではダムが観光地としても注目されつつあり、イベントなどが開催されたニュースなどに触れ、子どもたちがダムに興味を持ってくれている様子を見られるのも、やりがいの一つです。

ダム建設・技術の未来に向けての展望・目標は?

前述のような新技術が求められる背景には、やはり人材不足(熟練工の高齢化)や働き方改革(作業員の労働環境改善)、現場の合理化・省力化・工期短縮、環境への配慮といった時代のニーズがあります。
だからこそ、それらの声に応える技術の開発をさらに加速させていく必要があります。例えば、AI・ICT技術の高度利用もその一つです。現在施工中の川上ダムでは、AI・ICT技術の積極的な活用を推進し、ノウハウの蓄積と改善を日々行っています。トライアル&エラーで一歩ずつ進みながら、これからも高品質で、働く人や地域、環境に優しいダムづくりをめざしてまいります。

内藤 明