大林組ダム情報化施工技術「ODICT®

Obayashi-Dam Innovative Construction Technology

 

現場担当者からのメッセージ「プロの技術が集結してダムは完成します」

妹尾 亮
妹尾 亮

川上ダムJV工事事務所 工事長(機電)

妹尾 亮

自動化施工システムの確立に向けて

私はダム建設現場における自動化施工システムの構築・管理を担当しています。ダム堤体のコンクリート製造・運搬工程では、コンクリート用骨材をベルトコンベアでバッチャープラント(コンクリート製造設備)に送り、製造したコンクリートをタワークレーンで運搬するといった一連の作業プロセスをオートメーション化するなど、より効率的な施工を実現するために、最適なシステムの確立をめざしています。
もちろん、機械の性能だけでなく、それを扱うスタッフの技術やチームワークも重要。特に今回の工事は昼夜を通して作業が行われるため、抜かりのないメンテナンスと万全のスタッフ体制で臨んでいます。

妹尾 亮

川上ダムJV工事事務所 工事長(機電)

妹尾 亮

戸田 大三
戸田 大三

川上ダムJV工事事務所 工事長

戸田 大三

安全管理のプロの視点

川上ダムの現場は施工エリアが広範囲に及び、またコンクリート用骨材は伊賀市や亀山市など周辺地域からダンプ数十台を用いて搬入しているため、現場だけでなく、それらの車両の運行管理や運搬ルートの安全確保にも努めています。
タワークレーンなど大型の機械を用いる現場の安全対策には、AIやICTも導入していく予定です。
また、ウェアラブルセンサにより心拍数や作業環境状況をリアルタイムに計測する「Envital®(エンバイタル)」を活用し、作業員の体調管理にも万全を期しています。
そして近隣住民の皆様の安全や希少野生動植物の生息環境にも配慮しながら無事故での工事完成をめざしています。

妹尾 亮

川上ダムJV工事事務所 工事長

戸田 大三

中村 一平
中村 一平

川上ダムJV工事事務所 土木係

中村 一平

現場最前線のICT戦略

川上ダムでは、約46万㎥のコンクリート打設を行います。これを昼夜作業で、しかも最少人数で行うために、ICT技術を用いた自動化機器を取り入れていきます。具体的には、コンクリートのスライド型枠や締固めを行うバイバック、打ち継ぎ面を処理するグリーンカットマシンなどの自動化です。これらの機器を用いることで作業を連続的にスピーディーに行い、大幅な合理化・省力化を図ることができます。
現場における技術や経験では諸先輩方に及びませんが、こうした新しい技術や機器の運用に関しては私たち若手が率先して推進し、先導していかなければならないと考えています。ベテラン・若手に関係なく、意見を取り入れてもらえる現場なので、先端技術を試せるチャンスと捉えて、存分にチャレンジしていきたいと思います。

妹尾 亮

川上ダムJV工事事務所 土木係

中村 一平

松本 憲典
松本 憲典

川上ダムJV工事事務所 土木係

松本 憲典

新入社員から見た先端技術

入社1年目なので、川上ダムが初めての現場になります。大学院では都市工学を専攻していました。研究では自分の考えやアイデアをすぐに実行できますが、実際の現場では一人で作業を行うことはできません。作業員の皆さんに考えを伝え、意見を聞き、共有しながら一つひとつ工程を重ねていくことが、本当の“ものづくり”だと日々実感しています。
現場ではさまざまな先端技術が用いられていますが、個人的に関心が高いのは、現場から出る排水を濁水処理設備で浄化し川に戻すなど、環境にも非常に配慮がなされている点です。将来的には、こうした“地球に優しい技術”の開発に携わりたいと考えており、現場での経験や学びを活かせるように、これからも研さんを重ねたいと思います。

妹尾 亮

川上ダムJV工事事務所 土木係

松本 憲典

山口 誠
山口 誠

岸本建設株式会社
川上ダム本体建設工事事務所 所長

山口 誠

ダム堤体を打ち上げる責任を背負って

私はダム堤体のコンクリート打設工程全般の現場作業を取り仕切っています。約80人もの人員で作業にあたっており、複数の施工会社の作業員により組織されています。それぞれが各分野のスペシャリストですが、その能力を最大限に発揮させるためには、やはりチームワークの醸成が不可欠だと思います。
川上ダムでは、さまざまな先端技術が用いられており、初めて経験する作業も多いのですが、根幹となる技術や経験は、どの現場においても同じです。やはり最後は人の力が大切なのだと思います。全員の力でダム堤体を打ち上げるという目標とともに、現場作業を通じて、未来を担うべき技術者も育てていきます。

山口 誠

岸本建設株式会社
川上ダム本体建設工事事務所 所長

山口 誠

橋本 秀幸
橋本 秀幸

株式会社マイタック
第一事業部 川上ダム作業所 所長

橋本 秀幸

先進のタワークレーンを最大限に活かす

川上ダムの現場には、最新鋭のタワークレーン2基が投入されており、ダム建設用としては最大級のものです。このクレーンのオペレーションが私の役目になります。クレーンの操作はシビアで、メーカーによって操作感も異なります。特に今回は新しいクレーンなので本格稼働に備えて、細かい操作確認や試験的な作業を入念に行っています。また、タワークレーンによるコンクリート運搬の自動化なども行う予定です。
クレーンは秒単位の感覚で操作しており、安全・正確かつスピーディーな運用が求められます。そのためには自身の健康管理も重要で、オペレーターの中には「現場が終わるまではお酒を控える」という者もいます。皆それほどの責任感を持って作業に臨んでいます。

橋本 秀幸

株式会社マイタック
第一事業部 川上ダム作業所 所長

橋本 秀幸

猪股 就ニ
猪股 就ニ

株式会社セイア
現場代理人

猪股 就ニ

品質管理のプロフェッショナル

ダム堤体に用いるコンクリートを製造するプラント設備の管理と、コンクリートの品質管理が主な業務です。川上ダムの現場には、骨材の混合プラントもあり、非常に大規模なので、その分やりがいと責任も大きいです。
ダム建設には25年ほど関わっていますが、やはり近年は工期が短く、高速施工が求められています。プラントも昼夜通して連続稼働させる必要があり、トラブルがあれば工期を遅らせることになってしまうので、メンテナンスにも気を使います。
コンクリートの品質にも万全を期すために、ていねいな管理により、安定した品質の維持に努めています。

猪股 就ニ

株式会社セイア
現場代理人

猪股 就ニ

森川 浩司
森川 浩司

三重中勢砕石販売協同組合
事務局長

森川 浩司

コンクリート材料の安定供給を支える

川上ダムのコンクリート製造に用いるコンクリート用骨材は伊賀市と亀山市にある4社の砕石工場が共同で製造しています。工事の進捗と骨材ストック場の状況を確認しながら骨材の運搬計画を調整し、各砕石工場と運搬車両ドライバーと連携をはかり、材料の安定供給に努めています。
川上ダムは、私が携わった土木事業の中でも最大のプロジェクトであり、骨材の品質および数量確保もこれまでにない規模での計画と準備を要しました。組合各社の過去3年間の出荷数量を把握し、製造能力・製造予定日数を考慮しながら年間の骨材余剰数量を算出し、求められる納入数量に支障のない体制を整えました。また、定期的に各工場を訪問し、原石山の採取・製造状況・在庫数量や品質管理試験結果などを確認しており、品質管理にも抜かりはありません。

森川 浩司

三重中勢砕石販売協同組合
事務局長

森川 浩司