大林組ダム情報化施工技術「ODICT®

Obayashi-Dam Innovative Construction Technology

 

ダムをつくる人たち

STAFF INTERVIEW

新丸山ダムJV工事事務所 所長 佐々木 啓次

国内最大級のかさ上げ工事で人々に安心を

新丸山ダムJV工事事務所 所長

佐々木 啓次

丸山ダムは1943(昭和18)年に着工し、戦争による中止を経て1956年(昭和31)年に完成した国内初の100m級ダムです。戦後の電力供給や洪水調節機能を担う多目的ダムでしたが、完成後も木曽川は氾濫を繰り返し、下流域に被害をもたらすという課題がありました。そのため丸山ダム下流47.5m地点に、現状より20.2mかさ上げし、洪水調節容量が3.6倍になる新丸山ダムを建設することになりました。これは国内最大級のかさ上げ工事です。
通常のダム建設は河川を転流して行いますが、今回は既設ダムを運用しながらのリニューアル工事となります。まず左岸側から堤体をつくり、隔壁で丸山ダムとつなげて運用できるようにしてから右岸側の工事を進める、2段階工程で取り組んでいきます。

木曽川という大きな川で丸山ダムの機能を維持しながら作業を進めるので、大雨・洪水に関する災害の可能性も常に考慮します。そのため上流域の天候やダム放流に関する情報を常にモニタリングして、作業の継続・中止を判断しなくてはなりません。掘削・発破の際も既設ダムの機能を損なわないよう注意が必要です。

またダム建設現場周辺で生活されている方々の住環境を侵さず、地域と融和していくのも10年規模の工事では重要です。地元の方のご理解を得られるよう、工事の状況や我々の開発する技術などを常に見える化して、分かりやすく発信するようにしていきます。

私は以前米国・サンディエゴのサンビセンテダムの工事にも関わりました。新丸山ダム建設工事と同じく既設ダムのかさ上げ工事でしたが、生活用水のためのダムでしたので洪水などの危険は少なく、やはり新丸山ダムは難易度の高い工事だと思います。しかしかさ上げ工事の施工・品質管理上の留意点は共通なので、積み上げてきた経験を今回の工事で活かしていきたいと思います。

かつて建設に関わったダムが、しっかり水を貯め、地元の方の生活に役立っていることを確認すると、さまざまな苦労が報われます。ダム工事に携わっている期間は困難も多いですが、それだけにやりがいも大きい仕事です。

新丸山ダムJV工事事務所 所長 佐々木 啓次

〈新丸山ダム工事概要〉

新丸山ダムは、木曽川水系木曽川の岐阜県加茂郡八百津町と可児郡御嵩町の境に建設する多目的ダムです。
既設丸山ダムの下流47.5mの位置に20.2mかさ上げしたダムを建設し、発電や洪水調節機能を向上させる再開発事業です。

工事名称:令和2年度新丸山ダム本体建設第1期工事
発注者:国土交通省 中部地方整備局 新丸山ダム工事事務所
施工場所:岐阜県加茂郡八百津町地先、岐阜県可児郡御嵩町小和沢地先
工期:2021年1月29日~2025年3月31日 ※1期工事のみの工期です。
施工者:大林・大本・市川特定建設工事共同企業体
ダム型式:重力式コンクリートダム(堤高 118.4m、堤頂長 340.3m、堤体積 1,070千m3