8. ゲイン塔を地上で組み立て設置する

a) リフトアップ工法

1 採用された「ゲイン塔リフトアップ工法」のメリット

アンテナ用鉄塔「ゲイン塔」のつくり方には、さまざまな方法があります。すべてを組み上げた後で最終的な高さへ引き上げる「リフトアップ工法」も多岐にわたり、一般的には次のような例が考えられます。

上記2例の方法ではいずれも、工期の短縮や未知の高さに対する問題が抜本的に解決していません。
そこで、工期を短縮し、安全面・品質面も向上する、画期的でダイナミックな手順のリフトアップ工法を採用することにしました。その手順とメリットは次のとおりです。

リフトアップ工法は、世界一の高さの電波塔の安全・品質を確保し、効率良い建設を可能にした立役者といえます。超高層ビル1棟分ほどの大きさの構造物を634mの高さへ引き上げることは前例がなく、工事全体の中で最大の見せ場となる技術です。

2 リフトアップ工法の手順

PHASE 1

第1展望台より上の鉄骨建て方工事と並行して、シャフト空洞内でゲイン塔の組み立て工事を開始します。

PHASE 2

シャフト空洞内のゲイン塔の組み立てが完了した後、吊点を下部に吊り替えます。

PHASE 3

塔体鉄骨建て方が完了した後、油圧ジャッキを盛り替えます。このとき、シャフト内空洞部ではゲイン塔が組み上がっています。

PHASE 4

ゲイン塔にアンテナを取り付けながら突き出していきます。

※心柱……鉄筋コンクリート造の円塔で、重りとしてタワーの揺れを軽減する役割を担います。

MOVIE

ゲイン塔のリフトアップ手順

リフトアップとスリップフォーム