白石社長の就任と「中期経営計画’08」の策定

2007(平成19)年6月28日、新たに白石達が社長に就任した。就任にあたり、白石社長は、健全な企業風土と真の競争力を持つ企業として生まれ変わる必要があるとして、社内報「マンスリー大林」(2007年7月)でコンプライアンスの徹底について役職員に対して以下のとおり述べている。

「当社が最重要課題として取り組むべきことは『コンプライアンスの徹底』であります。(中略)今後当社が飛躍できるようにするためには、法令遵守にとどまることなく、企業倫理を確立していくことが絶対条件です。そのうえで、当社が企業としての社会的責任を担い、顧客に信頼され、選んでいただける企業へと変革を図っていく必要があるのです。」

2007年11月、白石社長は2008年度を初年度とする5ヵ年計画「中期経営計画’08 技術を核として利益成長企業へ」を発表した。同計画は副題が示すように、競争力の源泉は技術にあるとし、めざす企業像を定め、5年後の2012年度の連結経常利益800億円の数値目標を掲げた。また、目標実現の要点として、「営業基盤の拡充」「優位技術の開発」「設計施工比率の向上」「提案力の強化」などを挙げ、以下の方針を示した。

  • 1 目標受注高などは設定せず、建物用途・工種別に「目標利益率・利益額」を設定することにより利益重視を明確化
  • 2 顧客ニーズに合致し利益向上に貢献する(=売れる)技術の開発・適用を最重点施策として推進
  • 3 三事業(土木、建築、開発)を中心とし、三事業の周辺領域(維持管理分野、環境ビジネスなど)を多様化することにより利益成長を計る。

また「中期経営計画’08」と同時に、新たな業務取組姿勢として新三箴「良く、速く、廉く」を定めた。こうした大枠のもとに各分野で基本年度施策を立案、計画はスタートしたが、2008年9月のリーマン・ショックにより受注環境が一気に悪化、2010年度には最終年度の数値目標の修正を余儀なくされた。

中期経営計画'08
中期経営計画'08