第3の柱-開発部門の統合再編

2007(平成19)年8月、東京本社(現 本社)に開発本部および東京不動産事業部を新設し、同本部に企画部、開発推進第一〜三部、プロパティマネジメント部を置いた(従来の不動産企画管理部、東京建築事業部不動産テナント部およびプロジェクト開発各部、不動産開発部ならびにプロパティマネジメント事業部を廃止)。

「土木、建築事業は言うまでもなく当社の事業の柱です。一方、開発事業については、従来、建設事業を支援するものと位置づけられていましたが、今後は開発事業を収益の第3の柱として、安定収益部門に成長させたいと思います。」(2008年社長年頭訓示)のとおり、不動産開発事業を土木、建築と並ぶ新たな収益の柱とするものであった。

2010年4月には、開発本部と東京不動産事業部、大阪本店の開発関連部門を統合再編し、開発事業本部を新設した。全社における開発事業の事業損益単位としての役割と、全社的な戦略立案・指導・支援・管理を担う部門としての役割を兼ね備え、機動的な事業展開を行っている。また、グループ全体による不動産開発事業を推進すべく、既存の大林不動産に加え、2011年6月、宅地分譲、マンション分譲で豊富な実績を持つ新星和不動産をグループ会社化することとした。以後、当社、大林不動産、新星和不動産の3社が相互補完しつつ開発事業を担っている。

この間に取り組んだ主な開発物件は、次のとおりである。

1 新規開発事業

(1)ストリームビル浦和駅東口駅前地区第二種市街地再開発事業

2007年9月竣工。さいたま市が施行者となり、民間施設として大規模商業施設を、公共施設として図書館などを整備した。当社は、不動産信託受益権と匿名組合出資を用いて開発資金を調達するという、国内初の開発型不動産証券化手法を活用し、事業ストラクチャーの組成段階から参画した。

(2)サザンスカイタワー八王子八王子駅南口地区第一種市街地再開発事業

2010年9月竣工。当社は、特定業務代行者として、技術力・専門知識・経験・ノウハウを駆使し、多摩地区一の高さを誇る高層棟や本格的なコンサートホールを含む調和のとれた街づくりを実現した。

(3)グランフロント大阪(うめきた<大阪駅北地区>先行開発区域プロジェクト

2013年3月竣工予定。JR大阪駅北側の梅田北ヤードを2期に分けた大規模再開発のうち、先行開発区域(1期)において、先端技術に関する企業、大学などが集積する「ナレッジキャピタル」(知的創造拠点)をはじめ、事務所や商業施設、分譲マンション、ホテルなどを整備する。当社は事業コンペの段階から参画し、12社の企業連合により、2010年3月に着工した。

また、上記以外にも、首都圏を中心に大規模開発事業への参画を目的として複数の不動産を取得するとともに、遊休地有効活用の検討にも取り組んでいる。

2 賃貸事業

(1)日本通運川崎水江物流センター

2008年11月竣工。当社は、土地の仕入れから、開発計画の立案、テナント誘致、設計・施工および施設の運営まで、一連の不動産開発事業に取り組んだ。一括賃貸を行っていたが、2010年12月に売却した。

(2)久御山物流センター

2012年7月事業開始。第二京阪自動車道久御山南インターチェンジ付近に位置する当社大阪機材センター敷地の一部の有効活用を図り、屋根にメガソーラー施設を設置した自社物流倉庫を建設した。一括賃貸による安定的な収益の確保に努める。

(3)(仮称)青山大林ビル

2013年3月竣工予定。グループ会社の大林不動産を事業主として、老朽化した旧青山大林ビル(通称ハナエ・モリビル)を建て替える。耐震・環境などの最新技術を多数採用し、業務施設と商業施設を備えた斬新な複合ビルとして生まれ変わり、表参道エリアの新たなランドマークをめざす。

久御山物流センター
久御山物流センター
(仮称)青山大林ビル
(仮称)青山大林ビル