技術本部の設置

2007(平成19)年11月、技術本部を設置し、全社的な技術開発の企画・推進を行う企画推進室および研究開発管理部を置いた。土木、建築の技術力の結集と技術開発を推進すべく、建築本部エンジニアリング本部、原子力本部、技術研究所、土木本部土木技術本部の一部、建築本部本部長室の一部、法務部知的財産担当部門を統合したもので、マーケットニーズに合致した技術の研究開発とその適用推進を図ることを目的とした。

2008年4月、研究開発の核である技術研究所についても、組織体制と施設の見直しを行った。従来の13研究室から4研究部に再編し、プロジェクト部に代わって新設した技術ソリューション部を品川駐在とした。土木、建築に分かれていた研究組織を一つにまとめることで、知識や経験を効率的に活用することや、異なる知識・経験の融合や相乗効果により技術創出の活性化をめざした。

2010年10月には、創業120年記念事業を兼ねた技術研究所の再整備計画のうち、中核施設である新本館テクノステーションと研究領域の変更にも対応可能な新実験施設(オープンラボ1)が完成し、得意先への見学会(オープニングフェスタ テクノステーション2010)を開催した。2011年6月には、旧本館棟(1982年、世界一の省エネルギービルとして完成)をコンバージョンした材料化学実験棟が完成した。イノベーションを生み出す最先端研究施設であるとともに、開発技術を適用し、検証する場となっている。さらに、2012年3月には、グリーンイノベーション分野(省CO2、省資源、新エネルギー)を目指した新実験施設(オープンラボ2)の建設も決定した。

2009年12月、温室効果ガス排出削減ビジネスの核となる部門として、技術本部に温暖化ソリューション部を発足させ、地球温暖化対策についての当社取り組みの施策立案や営業・施工支援を行った。(2012年4月、温暖化ソリューション部とCSR室の一部を統合し、環境ソリューション部として再編した。)

2011年4月、技術本部にビジネス・イノベーション室を設置した。建設事業で培ってきた技術やノウハウなどを核として、再生可能エネルギー分野、海外のインフラ関連プロジェクト、環境分野など新しい事業領域を拡大することを目的とするものである。2012年7月には、自社開発の久御山物流センター(京都府久世郡久御山町)に1MWの太陽光発電所を建設し、発電事業の開始を予定している。2012年度以降は、当社遊休地の有効活用のみならず、公共用地を利用した再生可能エネルギー発電所を展開する計画である。