土木事業の強化

官庁工事においては、「公共工事の品質確保の促進に関する法律」(品確法)の施行(2005年4月)を機に、一般競争入札拡大と総合評価方式を柱とする入札・契約制度の改革が進み、当社が目標とする大型工事では、高度技術提案型、施工体制確認型の発注が増加した。この動きは、道路、鉄道などの民間会社においても広がりをみせ、当社にとって、工事獲得には、価格競争に加え、総合評価方式への対応が喫緊の課題となっていた。また、工事利益においては、コスト削減とともに利益管理の強化が課題であった。

2007(平成19)年6月、土木本部の組織体制を見直し、土木技術本部を土木本部内本部とするとともに、土木本部に営業推進部、戦略工務部、土木技術本部にプロポーザル部を新設した。これらは、土木本部への管理機能の一元化による責任と権限の明確化、土木本部における全店支援機能の強化、プロフィットセンター(本支店、各事業部)での受注から施工に至る一貫責任体制の確立を図るものであった。また、国内土木の建設需要の低迷を受け、横浜支店土木部門を東京土木事業部に統合(2008年4月)、神戸支店土木部門を本店(現 大阪本店)に統合(2009年7月)するなど、より一層の事業の効率化、重点化を進めた。

利益管理については、新たな予実算管理システムΛ(ラムダ)を開発し、2009年7月から全店展開した。見積りから予実算管理までを一貫し、早期に正確な工事利益を把握することをめざしたものである。

人材の確保・育成については、店間移動を積極的に進めるとともに、技術士を重点資格(特に取得を促進する資格)と位置づけ、2009年度以降、支援体制を整えて取得を推進し、3年間で200人以上の合格者を生み、2012年3月の資格保有者は792人となり、業界トップクラスとなった。