世界に広がる大林組
大林組は1964年のタイ事務所開設以来、50年以上にわたって海外展開を進めており、
世界各国で社会インフラの整備に貢献してきました。
そんな大林組の海外展開について、グローバルで活躍する社員の紹介や事業規模、これからの展望について紹介します。

大林組の海外事業所・グループ企業

現在大林組は、北米、アジア、オセアニア、中東などの地域において、高い技術力を必要とするプロジェクトに数多く参画しています。ここでは、世界各地で活躍する大林組の社員の現地での仕事や、学生の皆さんへのメッセージを紹介します。

  • 現地社員の声
  • 海外グループ会社(同一拠点含む)
  • 海外事業所

高い技術力を核に、
グローバル展開

大林組は、カタールの旧市街地再開発、シンガポールの大規模商業施設、ニュージーランド最大の道路建設プロジェクト、アメリカの道路やトンネル、橋などのインフラ開発など、高い技術力を活かして、世界基準のプロジェクトに多く参画しています。
海外事業売上高は年々増加しており、大林グループの重要な収益源の一つとなっています。

  • 海外事業売上高推移

    海外事業売上高推移
  • 海外事業における地域別売上高構成比

    海外事業における地域別売上高構成比

さらなる事業展開をめざして

新興国を中心とした海外においての人口増加や経済発展に伴う食糧、エネルギー、インフラ整備の需要増加。その中で、中期経営計画においては、建設事業のさらなるグローバル展開と、海外各拠点における収益基盤の多様化を支える事業基盤の強化と組織の構築を図ることとしています。これに伴い、海外で即戦力となるグローバル人材を育成するため、語学・マネジメントなどの集合研修、eラーニング、海外子会社との人材交流などを実施しています。

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「つくるを拓く」
大林組のパイオニア精神

現地社員の声(シンガポール)

現地社員の声(シンガポール)

米田 琢真 
/ Takuma Yoneda

アジア支店 チャンギ空港
トンネル工事事務所 主任

海外勤務の経緯と現在の業務内容
チャンギ国際空港敷地内に地下トンネルを3本築造するプロジェクトの一員として業務に従事しています。トンネルをつくるためには、材料のほかに機械、仮設構造物、電気が必要となります。機電職として現場に配属になると、それらすべての選定、仕様決定や工程計画、工事管理に携わることになります。海外勤務になったのは、入社当時から海外勤務を希望していたことと、国内で類似案件の現場に携わった経験があったことが理由だと思います。
日本で働く時との違い
国内と海外での業務は大きな違いはありませんが、言葉、働いている人、商習慣、宗教が日本と違います。特に商習慣の違いを理解するのが難しく、時折議論になることがあります。その際はこちらの考えを押し付けたり、相手の考えを鵜呑みにしたりするのではなく、議論からお互いの違いを学ぶようにしています。そのうえで最善の方法を考え、行動するように心掛けています。相手はもちろん、自分とも向き合うことが増え、より成長できていると感じます。
仕事のやりがい
大林組が築造するトンネルはシンガポール初の直径10mを超える大断面トンネルです。異国の地でその国初の事業に携わり、それが構造物として残り、現地の人の生活を支えていくと思うとワクワクしませんか?今はそこに最もやりがいを感じています。プロジェクトは決して自分一人でやり遂げることはできず、スタッフ一丸となって行う必要があります。言葉も文化も違うため、難しさはありますが、新たな気づき、学びもたくさんあります。それが刺激・糧となり、充実した日々を過ごせています。

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現地社員の声(タイ)

現地社員の声(タイ)

小野 敦史 
/ Atsushi Ono

タイ大林 所長

海外勤務の経緯と現在の業務内容
入社当初から勤務地へのこだわりはなく、人材として求められる場所で働き、その地域・国に貢献したいと考えていました。入社3年目にグローバル要員に選抜され、海外で働くための研修を複数回受講し、その後国内において施工管理者として市街地での難易度の高いプロジェクトをいくつか経験し、技術者として自信を持ち始めた10年目に海外赴任の話を頂きました。入社当時とは違い家族も増えていたため悩みましたが、妻の「家族を理由にチャンスを逃すな!私が何とかするから」という強い後押しとともに、入社11年目に海外へ赴任しました。現在は、タイで工場新築工事の現場所長として、施工管理や発注者対応を行うだけでなく、タイ大林へ大林組の新技術導入を支援する業務なども担当しています。
日本で働く時との違い
現地の言葉でコミュニケーションをとる努力をすることが最も重要だと思います。英語でも十分に会話ができますが、やはり"郷に入っては郷に従え"の精神で積極的にタイ語を用いて会話するよう心掛けています。また、赴任先の国民性や生活様式を尊重し、文化と民族を敬うことを意識しています。私は海外で仕事をするということは「その国で仕事をさせてもらっているのだ」と考えています。タイ大林は設立から45年以上が経過しており、私の会社経験の何倍もの経験を大林組で積んできた現地技術者が多く在籍しています。彼らの意見を理解し、私が培ってきた経験を共有することで互いに高め合える関係性をつくり上げています。
仕事のやりがい
日本では主任という立場で、自身の担当する工種の施工管理を行っていました。しかし海外では所長として現場全体を把握していなければなりません。職種に限らず全職員とコミュニケーションをとることがとても重要になってきます。私は建築職として入社しましたが、このような状況下にあって他職種(設備・土木)の専門的知識を身につける機会に恵まれています。国内帰任後、将来的には現在と同様に現場全体を把握する所長として、日本、または海外にて業務にあたりたいと考えています。この経験は、そのために必要不可欠なものであると実感しています。

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現地社員の声
(アメリカ サンフランシスコ)

現地社員の声(アメリカ サンフランシスコ)

市橋 佑 
/ Yu Ichihashi

北米支店 企画管理部
総務課 副課長

海外勤務の経緯と現在の業務内容
入社以来、海外を希望していました。3部署目の異動の際に、当時、本社にあった海外支店配属になり約3年程度勤務した後、海外留学を希望しました。幸い、海外留学生として社内選考を通過し、大林組の海外主要事業エリアであるアメリカのMBAに絞って受験をして、アメリカ、インディアナ州にあるインディアナ大学のMBAに進学することとなりました。2年間の留学後、現在の北米支店に配属となりました。
大林組の北米事業は、現地の建設会社を買収した土木と建築の子会社および大林組が直接工事を行っている直轄土木事業があります。私は、主に直轄土木事業の工事受注時の契約内容審査、入札案件の社内承認資料の作成、損益管理報告のほか、土木の子会社のクレマー社の管理を担当しています。
日本で働く時との違い
一口にアメリカ人といっても中国系アメリカ人、スペイン系アメリカ人、インド系アメリカ人など文化や考え方が異なるさまざまな人と働いています。当然、仕事の進め方や考え方も異なっており、日本では言わなくても物事が進むようなことでも、一つひとつ確認が必要であったり、異なる進め方や考え方を受け入れたうえで日本の会社である大林組に合った仕事の進め方を模索したりする必要があります。また、駐在員の数も限られているため、広範囲の業務をカバーする必要があり、自分で考え進めて結果を出していくことも求められます。
仕事のやりがい
言語、文化、考え方が異なる人たちと今までに経験したことのない業務に取り組み、何かを達成できた時は現地のスタッフとの絆もより深まりますし、とても大きな達成感を得ることができます。また、大林組は国内のみならず海外においてもダムや交通などの公共事業、大規模な商業施設やオフィスビルなど、都市づくりや地域に大きく貢献する事業を行っています。その一端を担うことができることは大きな醍醐味の一つです。

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現地社員の声(ベトナム ハノイ)

現地社員の声(ベトナム ハノイ)

剱持 圭佑 
/ Keisuke Kemmochi

大林ベトナム 設備 課長

海外勤務の経緯と現在の業務内容
入社当時から大林組は海外展開に力を入れていたこともあり、漠然とですが、海外勤務もあるかな、程度に意識をしていました。その後、入社3年目にグローバルリーダーシップ研修を受講する機会があり、商習慣、文化、業務などの違いをより具体的に知る機会を得ました。その頃から、さらに実感をもって海外勤務を意識しました。5年目に海外赴任となり、そこからは設備担当として主に入札や施工管理、リニューアル業務を行っています。見積から設計、施工管理、アフターケアまで一通りの事を海外では任され、取り組んでいます。
日本で働く時との違い
あらゆるところに違いが表れてきます。人間的なところでは文化や考え方、また建築・設備技術に関わるところでは、適用される法律、技術基準、また気候や地震の有無などの違いもあります。とにかく日本では通用する「当たり前」が通じません。日本人では察することができても、海外では全く通じないことを前提に指示を出します。単純にやることを言うだけでなく、各々の作業の目的(なぜその仕事をする必要があるのか)を理解してもらうにはどうするかを、より深く考えるようになったと思います。
仕事のやりがい
日本ではなかなか経験できない大きなプロジェクトを一任されます。海外赴任前は、現場勤務も一係員として業務に取り組んでいましたが、赴任後は設備の現場代表として、現地のスタッフをマネジメントしつつ、お客様との調整までも引き受けます。自らの判断でプロジェクトが動く緊張感とともにやりがいを感じています。完成した時の喜びもひとしおです。
また、文化の違いに触れることで、外から日本を見ることができる、という点は赴任してみて気づきました。日本はとても変わった国だと思います(笑)
加えて、同時期に海外赴任をする若手社員も多かったので、周りの人の仕事ぶり、頑張りにも刺激を受けます。

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現地社員の声(カンボジア)

現地社員の声(カンボジア)

石原 遼 
/ Ryo Ishihara

アジア支店 プルサット工事事務所 主任

海外勤務の経緯と現在の業務内容
入社前から、発展途上国で、そこに住む人々の暮らしを良くできる工事に携わりたいと考えていました。会社に入ってからも一貫して途上国の現場を希望しており、入社5年目でラオスの現場に赴任しました。その工事が大方終わり、カンボジアの工事が始まったので、そのまま現在の現場に異動しました。当工事は、カンボジアの首都とタイの国境をつなぐ国道(アジアハイウェイ一号線)の拡幅・改修工事です。老朽化した片側一車線の国道を拡幅・改修し、片側二車線にします。大林組は全長365kmのうち、47kmの区間を請負っています。また、道路上にある8つの橋の架け替え工事も行います。施工管理者として、工事の進め方を決めて、実際に現場へ行き、工事がうまく進むように工事全体を管理しています。
日本で働く時との違い
海外では、多くの現地スタッフを雇い、スタッフと協力しながら工事を進めていきます。文化や仕事に対する考え方が違うので、考えをよく聞きながら、プロジェクトを進めていくことが肝要です。納得しないと動いてくれないこともあるので、なぜそれが必要かを説明するように心掛けています。
スタッフが気軽に相談をしやすいよう、現場では一人ひとりに声をかけるようにしています。また、一致団結して工事を進められるように、日々打ち合わせの場を設けて、目標や問題点を共有しています。
仕事のやりがい
現場では、日々構造物ができ上がっていく様子が見られるので、ものづくりの喜びや楽しさを味わうことができます。
また、近隣に住む方々は工事の完成をとても楽しみにしてくれており、地元の人たちとも触れ合いながら、協力し合って工事を進めていっています。
この工事が完成すると、移動がスムーズになり(2〜3倍の交通量となる見込み)、大きな経済効果が期待できます。また、中央分離帯や歩道も設置されることから、事故の大幅な軽減も期待できます。途上国の発展に貢献できており、そこに住む人々の暮らしを良くできる構造物に携わっていることが大きなやりがいです。
また、仕事では、自分の判断で多くの人が動きます。下手な指示はできないというプレッシャーはありますが、うまくいくと嬉しいですし、とてもやりがいを感じています。

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