大林組の人と文化を伝えるメディア
社員紹介
2023.05.31

先輩×後輩対談
互いの経験と知見を活かし、変革に挑んでいく。

建設業の醍醐味の一つが、先輩から後輩へと知恵や技術が受け継がれていくこと。人を大切にする大林組では、なおのことです。普段の関係性や業務での関わり方などについて、先輩と後輩で話し合いました。風通しのよい社風についてもぜひ感じ取ってください。

井上 洋二(右)
建築本部 本部長室 生産企画部 次世代技術推進課 副課長
2008年入社/工学部建築学科卒
入社後、都内のプロジェクトをいくつか担当し、オーストラリア留学を経て北米でのプロジェクトに参画。帰国後、首都圏の現場を担当し、現在は生産企画部にて次世代技術の推進・展開に取り組む。

佐野 公紀(左)
建築本部 本部長室 生産企画部 生産企画課
2017年入社/芸術工学部建築都市デザイン学科卒
入社後、関東圏のプロジェクトをいくつか担当し、2022年春から生産企画部へ。現場の働き方改革の支援や、現場力・生産力向上のための各施策の展開などに取り組む。

人間力を磨くことで現場の信頼関係を築いていく

佐野

井上さんに初めて会ったのはちょうど1年前、千葉県の物流施設現場に着任したときでした。当時、井上さんはその現場で主任を務めていて、工事長に昇格するに際して私が業務を引き継ぐことになりました。

井上

一緒に歩きながら現場について説明しましたが、佐野さんの知識の豊富さには驚かされました。質問も的確で、入社4年目でこれはすごいなと感心したものです。自分の4年目を振り返って、とてもかなわないと思った。

佐野

井上さんの第一印象は、関西弁の気さくな先輩。「自分も海外駐在から戻ったばかりで分からないことばかりだ」と、飾ることなく話してくれたのを覚えています。海外留学し、MBAを取得されていることもあり、視野がとても広く、ハイスペックな人だと驚いたものでした。

井上

現場で最も大切なスキルの一つがコミュニケーション能力です。その点、佐野さんは職人さんとの関係づくりもうまいですし、さすがです。

佐野

分からないことがあればすぐに現場の職人さんに教えてもらうなど、常に素直であることを心がけています。自分の父親くらいの世代の方も多く、先輩方から教えていただく、という姿勢を大切にしています。

井上

よく「“人”の大林」と言われますが、人と人の信頼関係が大切な建設業界において、特に大林組は人間的な魅力にあふれた人材が多いと感じています。佐野さんはまさに「“人”の大林」を象徴するような人材でしょう。後輩でありながら、教わるところが多いです。

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先輩の背中に学び、スキルを磨いてきた

佐野

あの現場で印象的だったのは、設計変更の多さでしたね。

井上

設計変更が発生し、造りあげた壁を解体して新たな壁を造り直すといった作業もありました。現場にとってはとても負荷が高く、スケジュールも含め、佐野さんが前に出て調整作業を進めてくれました。

佐野

汗をかいて一生懸命に造った壁を壊すのですから、職人さんにしてみれば面白い話ではありません。簡単に受け入れられる話ではないんです。事情を説明し、気持ちを尽くしてお願いしなければ、職人さんは動いてくれません。

井上

そのときに職長さんに「佐野君が言うなら仕方ないな」と言ってもらえたのは、それまでに築いてきた人間関係のおかげでしょうね。

佐野

普段から誠実なコミュニケーションを大切にし、いざというときもほかの社員任せにせず、私が率先してお願いする姿勢を大切にしてきました。

井上

コミュニケーション能力って、話し上手とは違いますからね。飾ったりごまかしたりせず、しっかりと向き合うことが大切なんです。

佐野

私はそういう姿勢を、先輩たちから学んできました。職人さんと誠実に向き合いながら信頼関係を築いていく先輩の姿を見て、その背中から大切なものを吸収できたと思っています。

井上

そういうふうに人から人へと受け継がれていくことが、建設現場における技術継承の本質でしょう。進化や変革は、それが前提となって始まると思います。

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視野が広がり、新たなスキルを身につける

佐野

現場である程度経験を積んだら、本社でキャリアの幅を広げることになりますね。

井上

今私は本社の建築本部の本部長室生産企画部に所属しています。本社の仕事は現場とは勝手が違うので、最初は少し戸惑いましたが、それが自分のさらなるスキルアップにつながると思っています。

佐野

井上さんの3ヵ月後に私も同じく生産企画部に異動しました。本社で再びご一緒できたのは嬉しかったです。職場はフリーアドレスですので、時々隣の席に座って仕事をしています。

井上

仕事がまったく変わって、今はどんな印象ですか。

佐野

視野がずいぶんと広がった感じがします。

井上

現場にいると一日中仮囲いの中で過ごすこともあって、どうしても視野は限られてしまいます。日々の作業を着実に遂行するため、目の前のことに集中する必要があります。それに対して本社ではさまざまな部署の社員と接することになるし、会社全体を見ながら仕事をする必要もあります。私自身も現在の部署に異動して視野と人脈が広がりました。

佐野

現場にいるときは本社の仕事がはっきりとは分かりませんでしたが、バックオフィス部門も含め、多様な部署がそれぞれの機能を発揮することで会社が円滑に動いていると知りました。現場を離れた先にも多様なキャリアが広がっているのを実感します。

井上

部署間の調整などの経験は、今後成長していくうえで大きな財産になるでしょう。社内のネットワークを広げることも含め、ぜひ多くのことを吸収してほしいと思います。

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建設業の変革へ、立場は違っても志は同じ

井上

現在2人で協力して進めているのが、施工プロセスの変革をめざした最先端技術の導入です。

佐野

建設現場も合理化・効率化が進んできていますが、今後さらに変革に取り組んでいかなくてはなりません。次世代のためにも、建設業をより魅力的なものにしていきたいですね。

井上

めざしているのは、楽しい現場、ワクワクする現場です。誰もが楽しみながら仕事に打ち込める、そんな環境を実現したいですね。

佐野

建設業で最も大切なのはやはり現場ですから、より良い現場づくりのために本社のスタッフとして力を尽くしたいと思います。

井上

その第一歩としてスタートしたのが、技術力向上をめざして各現場で行っている研修会です。社内のさまざまな部署と調整しながら佐野さんと進めているところです。

佐野

私自身、現場での経験があるから分かるのですが、日々目の前の作業に追われている状況では、どうしても新しい技術にトライする余裕を持ちにくいし、変革することに対して及び腰になってしまいます。だからこそ我々が率先して技術導入に取り組み、変革に向けて現場をリードしていかなくてはなりません。本社で働くことで学んだ全社的な視野を、ぜひこの業務に活かしていきたいと思います。

井上

あくまで現場重視の姿勢は貫きたいですね。技術ありきではなく、「現場」がどうしたいかを重視して技術導入やプロセス開発をしていくことが大事だと考えています。

佐野

確かにいくら最先端の技術を導入しようとしても、現場の監督や実際にその技術を使うことになる職人さんが賛成してくれなければ、“使える技術”とは言えません。

井上

だからこそ、現場からのフィードバックがとても重要で、それをもとに技術を改良・改善することが必要でしょう。

佐野

そうした姿勢は、最前線でのものづくりを大切にする大林組らしさの表れだと思います。

井上

海外留学や北米でのプロジェクトで得た知見を活かし、施工プロセスの変革を成し遂げたいと考えています。大変なことはたくさんありますが、まったく新しいものをつくり上げていく喜びを味わっています。

佐野

私はやっぱり現場が好きだし、いつかは現場に戻ってまた施工管理の仕事に取り組みたいと考えています。井上さんが技術面で施工プロセスの変革をリードし、私がそれを受けて現場を変えていく、そんな関係を実現していきたいですね。

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※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。

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