フィナンシャル・レビュー

取締役副社長執行役員 小寺 康雄

2019年度業績の振り返りと2020年度事業環境

2019年度(2020年3月期)は、国内外での豊富な建設需要と、これまでの生産性向上策や投資の結実により、大林グループ連結業績は、売上高は6年連続過去最高、一部の案件で工事損失引当金を計上したものの、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高だった2018年度に次いで過去2番目となりました。

2019年度営業キャッシュ・フローは、国内建設事業における工事代金回収が進んだことなどにより、年間で2,376億円のプラスとなりました。

2020年度は新型コロナウイルス感染拡大により、大林組でも4月下旬から一時工事を中断するなど、事業環境が不透明となっていますが、このような中でも、感染防止策を徹底したうえで施工を継続または再開するなど、業績への影響を最低限に抑える方策を取っています。

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「目指す将来像」実現に向けた投資計画

「中期経営計画2017」では、目指す将来像の実現に向けた「将来への布石」として、5年間で4,000億円の投資計画を掲げ、2019年度末までの累積投資額は2,734億円となりました。2020年度は、不動産賃貸事業や再生可能エネルギー事業への継続的な投資に加え、次世代生産システムの構築など飛躍的な生産性向上を実現するため、建設技術の研究開発やデジタルトランスフォーメーションの推進にも積極的に投資するほか、先端的技術を持つスタートアップ企業への出資によるアライアンス強化を進めてまいります。

中期経営計画2017 主な経営指標目標

2021年度末目標値 2019年度末実績
自己資本額
自己資本比率
9,000億円
40%
8,178億円
36.7%
ネット有利子負債
(有利子負債)
ゼロ
(2,500億円)
-664億円
(2,485億円)
2021年度目標値 2019年度実績
売上高 2兆円程度 2兆730億円
営業利益 1,500億円程度 1,528億円
親会社株主に帰属する当期純利益 1,000億円程度 1,130億円
1株当たり当期純利益(EPS) 150円程度 157円
自己資本当期純利益率(ROE) 10%超の水準 14.3%

2019年7月に設置した投資委員会では、大林グループの現在の財務内容や保有資産の状況を踏まえた適正な投資規模、各投資案件の投資方針との整合性や事業戦略上の意義のほか、リターンとリスクとの適正なバランス、そして事業化決定後のモニタリングまで、投資活動全般について審査・評価しています。これにより、取締役会などにおいて論点を絞ってより深く充実した審議が可能となり、大林グループの投資活動の着実な推進に寄与しています。

中期経営計画2017 投資計画(2017〜2021年度)の進捗

5ヵ年計画 2019年度実績 2019年度までの累計
建設技術の研究開発 1,000億円 231億円 647億円
工事機械・事業用施設 500億円 145億円 344億円
不動産賃貸事業 1,000億円 262億円 1,005億円
再生可能エネルギー事業ほか 1,000億円 185億円 459億円
M&Aほか 500億円 13億円 279億円
総投資額 4,000億円 839億円 2,734億円

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資本政策と株主還元方針

2019年6月に社会性および環境貢献の高い活動に使途を限定したサステナビリティボンドを発行し、ESG重視の投資家層へ調達先を広げました。また、再生可能エネルギー事業ではプロジェクトファイナンスを活用するなど、自己資金と負債のバランスを取った資金運用を行っています。

資産のうち大きな比重を占める政策保有株は、顧客との資本関係に基づく高い信頼関係を構築することに大きく貢献し、保有先発注の工事の利益に加え、配当・含み益を勘案した経済合理性は高いものとなっています。毎年定期的に取締役会で審議し、保有意義が薄れた銘柄は過去10年間単体で103銘柄(28%)、847億円を売却しています。

株主還元については、長期にわたり安定した配当を維持することを第一に、財務体質の改善および成長投資のための内部留保充実を勘案したうえで、連結配当性向20~30%を目安とした利益還元を基本方針としています。

株主・機関投資家の皆様とのエンゲージメントを2019年度中に多数実施しました。今後も充実した開示と対話を重ね、相互理解を深めるとともに、現在の成長投資を確実に将来の利益向上に結び付け、株主の皆様へのリターン増加に努めてまいります。

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持続的な成長と価値創造に向けて

大林グループは2017年度から、「目指す将来像」とその実現に向けて「中期経営計画2017」に基づき、「強固な経営基盤の構築」と「将来への布石」にグループ一体となり取り組んできました。これまでの好調な事業環境を背景に過去最高水準の利益を上げ、当初描いたB/Sのあるべき姿としての経営指標目標(自己資本9,000億円、自己資本比率40%)の達成も視野に入ってきました(2019年度末の自己資本額8,178億円、自己資本比率36.7%)。

しかしながら、M&Aを含む多様な事業ポートフォリオの構築、新収益源創出への取り組み、情報基盤をはじめとする経営基盤の構築はまだ十分に進捗しているとは言えず、将来の成長に向けて課題を残しています。

一方、新型コロナウイルス感染拡大により、世界経済は大きな打撃を受け、反グローバル化の動きや景気後退リスクも顕在化しています。

こうした状況のもと、大林グループでは、将来の成長に向けて、これを機に「働き方改革」と「デジタルトランスフォーメーション」を一気に加速してまいります。そのための効率的な資金配分や人材への投資を着実に実施し、多様な収益源と強固な財務基盤の構築につなげ、価値を創出し続ける企業として新たな姿をお見せしたいと考えています。

1株当たり当期純利益(EPS)と1株当たり配当金の推移

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