(株)大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)では、開発した低コスト・工期短縮・環境配慮型の節付き杭工法「ナックル・パイルおよびナックル・ウォール工法」の建築技術性能証明を2009年9月1日に(財)日本建築総合試験所から取得しました。
第三者指定認定機関での技術評価取得によって、載荷試験を含む施工検証実験が不要となることから、事業計画の設計および申請期間が短縮されるとともに、施工検証実験に費やすコストの削減が可能となりました。
近年、設計技術や材料の進歩、土地の有効活用などにより、建築物の超高層化、大重量化が進み、杭に要求される支持力(引抜き力および押込み力)が増大しています。当工法は、場所打ちコンクリート杭の軸部あるいは壁杭の壁部に節を複数設けることで、支持力を大幅に向上させる杭工法です。
ナックル・パイル(節付き丸杭)、ナックル・ウォール(節付き壁杭)の特長は以下のとおりです。
■ 杭に加わる支持力が大幅に向上
杭に節を複数付けて地盤の硬質な中間層あるいは支持層の支持能力を有効利用することで、杭に加わる支持力が大幅に向上します。
■ 最大20%のコスト削減・工期短縮
支持力の大幅な向上により、従来工法の杭と比較して、杭長の短縮および杭の体積を削減することができるため、最大20%の杭工事のコスト削減および工期短縮が可能となります。
■ 最大30%の建設発生土を抑制
杭長の短縮、杭体積の削減効果により、杭工事の掘削土量を最大30%抑制することが可能となります。建設発生土量および汚染土処分量を抑制することができる環境に配慮した杭工法です。
大林組では、「ナックル・パイルおよびナックル・ウォール工法」の開発を2003年度に着手し、首都圏、関西圏の4現場において載荷試験を含む施工性の検証実験を行い、節部の支持力および施工法の性能確認を行いました。現在までに5件の施工実績を有しており、当社が現在施工している最高高さ634mの世界一の自立式電波塔「東京スカイツリー®」にも、杭に加わる大きな引抜力および押込み力の対応策として当工法が採用されています。
大林組は今後とも、顧客ニーズに合致する技術を開発し提供することにより、安心・安全な社会づくりに貢献していきます。
以上