廃棄物埋立地盤の修復工事や油汚染土の浄化に効果的な 間欠・高圧土中酸素注入工法「バイオプスター工法」を導入
(株)大林組は、廃棄物埋立地盤の修復や天然性有機廃棄物(厨芥生ごみ、伐採ごみ、農水産系生ごみ等をいう、以下は有機廃棄物と呼称する)や油による汚染土の浄化に、原位置で酸素を添加した空気を土中に吹き込み、土中の好気性微生物による分解を促進し浄化・安定化を行う、いわゆる生物浄化を促進するバイオプスター工法(間欠・高圧土中酸素注入工法)をスウェーデンのAGA社から技術導入しました。
バイオプスター工法はオーストリアで開発され、現在、スウェーデンのAGA社が権利を有しており、既に環境先進国のドイツやオーストリア、デンマークでは、既存の廃棄物埋立地の修復工事など数多くの実施例があります。
例えばウイーンの万博会場は廃棄物の埋立地でしたが、本工法を利用して修復し、浄化された土地として再開発されました。また、ガソリンスタンドなどの油汚染された地盤においても浄化実績があります。
バイオプスター工法のシステムは、廃棄物や油汚染土を移動させることなく原位置で、廃棄物あるいは油汚染地盤中に酸素を添加した空気を高圧で、間欠的に噴出し、地盤中に好気状態を作り出し、好気性微生物により有機分の分解を促進する工法です。
高圧でパルス状に空気を吹き込むため、単に空気を吹き込む場合より均一に空気が分散され、より高い効果を発揮します。吹き込んだ余剰空気および分解ガスは地上にそのまま放散されることはなく、噴出ノズル(プスター)の周辺に配置した吸引パイプで吸引し、専用の空気浄化装置(バイオフィルターや活性炭槽)で浄化した後、大気に放散されます。またバイオプスター工法は、酸素を添加した空気だけでなく地盤中に栄養分や水分も供給することができ、油汚染土等では微生物生息の環境を改善する機能も備えています。
バイオプスター工法の特長は次のとおりです。
汚染地盤中の微生物の自然力で浄化を中心とした環境にやさしい工法です
自然界の微生物による自然浄化作用を利用する方法なので、投入エネルギー量が少なく、焼却等の物理・化学的工法と比較してエミッションの少ない工法です。
- 浄化後の土壌はpH等が上昇することがありません。
- 処理過程における臭気・メタンガスの発生をほぼ除去します。
- 既存の廃棄物地盤内の有害ガスも除去します。
- 有機物の分解により浸出液の水質を改善し、安定化させます。
酸素添加、分解環境の改善効果により、きわめて早く分解・浄化できます
地盤中に好気状態を作り出し、好気性微生物による有機分の分解を促進します。また、酸素を添加した空気だけでなく地盤中に栄養分や水分も供給することもでき、油汚染土等では微生物生息の環境を改善する機能も備えています。
噴射空気の分散効果により有機分をむらなく分解します
高圧、間欠でパルス状に噴射するため、噴射空気が広く均等に土中に分散します。その結果、微生物の活動を広く促し、むらが少なく分解することができます。
原位置で処理でき、好気状態を作るための掘削も必要ありません
原位置での処理であるため、廃棄物地盤や汚染地盤を掘削して処理ヤードへ移す必要がありません。また、強制的に地盤中に好気状態を作り出すための掘削も不要であるため、掘削暴露に伴う悪臭対策等が不要です。
極めて経済的な手法です
原位置で行うため掘削等が省け、同様に暴露対策等も不要な経済的な工法です。また、自然界の微生物を利用する方法なので投入エネルギーが少なく、経済的です。
このようなバイオプスター工法の特性を活かし、不適正な廃棄物処分場や保管場所の修復や再生、あるいは油汚染土の浄化に適用できます。
(1)廃棄物地盤の分解、安定化を促進させます。 - 最終処分場の再生に貢献します。
(2)有機廃棄物の中間処理施設として利用できます。 - 有機廃棄物を分解して減量・減容化します。
(3)油汚染土の浄化に適用できます。
今後、大林組では、不適正な廃棄物処分場や保管場所の修復や再生、収集された有機廃棄物の中間処理、あるいは既にクウェートで実績のある油汚染土の浄化技術などに向け、自然浄化作用を利用したバイオプスター工法を積極的に自治体や顧客に対して提案していきます。
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大林組 東京本社 広報室企画課
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