(株)大林組は三和テッキ(株)(本社:東京都品川区、社長:手塚和義)と共同で、キャタピラ状の磁石ベルトを鋼製のガイドに吸着させ、その磁気摩擦力で駆動力、制動力を得る新しいトンネル用資材搬送システムを開発しました。シールドトンネルの急勾配でも従来の2倍以上の速度で安定した登坂走行が可能で、工期の短縮と安全性を向上します。 一般的に、シールドトンネル工事では資材の搬出入に車輪走行式のバッテリー機関車を利用します。セグメント上に枕木、軌道(レール)を敷設し、その軌道上をモーター駆動による車輪走行式の機関車が非動力の台車を牽引して資機材の搬出入を行います。車輪走行式機関車は車輪とレールの摩擦力を利用して駆動、制動を行うため摩擦力を超える急勾配(斜度5%以上)では走行できず、急勾配用に補助装置を使用します。ラックと呼ばれる特別な軌道をピニオンと呼ばれる車輪(歯車)が噛みながら走行するラック・ピニオン機構やウインチとワイヤーで車両を牽引する機構を併用するのが一般的ですが、これらの急勾配を走行するための補助装置は速度が遅いため、資機材の搬出入の時間は急勾配部の速度に左右されます。 今回開発した「磁石ベルト式搬送システム」は、トンネルの急勾配に対応した全く新しい搬送システムです。磁石ベルト動力車と複数台の被牽引台車で構成されており、タイヤ走行式で、枕木、レールを敷設する必要はありません。下部セグメントに直接リアクションビームと呼ばれるガイド(H鋼)を1条敷設し、リアクションビームを機関車下部の2つのキャタピラ状の永久磁石のベルトが挟みます。リアクションビームの両側面に磁気により吸着された磁石ベルトが回転することにより機関車が駆動力を得て前進、後退をします。機関車の安定はタイヤにより保持されます。摩擦力を利用した従来の車輪走行式とは異なり、脱線の心配がなく、従来の2倍の登坂速度で、急勾配でも安定した走行が可能です。 今回開発した「磁石ベルト式搬送システム」の特長は次のとおりです。
今後、大林組では今回開発した「磁石ベルト式搬送システム」を、今後増加が予想される急勾配のシールドトンネル工事に積極的に導入し、工期短縮と安全性を追求して行きます。
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■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室企画課 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 お問い合わせフォーム プレスリリースに記載している情報は発表時のものです。 |
「磁石ベルト式搬送システム」を開発・実用化
シールドトンネルの急勾配に対応、従来の2倍以上の登坂速度
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プレスリリース