有害な鉛やクロムを含まない塗料に切り換えました。これにより年間5トンの鉛・クロム化合物の使用を削減します。 近年、有害物質による環境の汚染が社会的に大きな関心事となりつつあり、企業の有害化学物質の管理強化が求められています。平成11年7月に成立した「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)」では、事業者に化学物質の排出量・移動量の報告を義務づけることにより、事業者自身が化学物質の管理を強化し、さらには環境に与える負荷を低減する努力を促す効果を期待しています。 大林組では、東京、大阪など全国8個所の機械工場に247台の各種クレーンや170台のリフト、28,000台を超える分電盤など多数の建設機械を所有しており、各機械工場でメンテナンスを行う際に塗装補修を行っています。塗装補修にあたって、当社のコーポレート色である大林カラー(パッションオレンジ色)などに使用していた塗料の顔料は、その発色の都合上クロム酸鉛、硫酸鉛などが主成分であり、全国8個所の機械工場で使用されている塗料総量約44トン(平成11年度実績)の内クロム酸鉛などの鉛・クロム化合物は約5トンになります。鉛は、摂取量が増すと骨組織に沈着し、さらに血液中に遊離・蓄積、四肢の麻痺、 嘔吐、下痢、血便、腎障害を起こし、肺、腎臓に対して発がん性ある有害物質です。また、クロム酸鉛に含まれるクロムの形態は、六価クロムで有害物質です。 なお、今回は塗料の顔料について有害物質を含まないものに切り換えましたが、溶剤は有機系のものを使用しています。有害化学物質の排出抑制の立場からは、溶剤についても有機系から水(水性塗料)に切り替えていくことが必要と考え、水性塗料への切り換えについても検討を行っていますが、建設機械は野外で使用するため耐候性、耐久性の面で現状の水性塗料の性能ではまだ十分とは言えません。また、建設機械は製造工場出荷時に有機系溶剤塗料が使用されており、その上に水性塗料を塗布するには有機系溶剤塗料を剥離する必要があるなど課題が残されています。
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■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室企画課 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 お問い合わせフォーム プレスリリースに記載している情報は発表時のものです。 |
建設機械の塗料を無鉛化し、年間5トンの鉛・クロム化合物を削減
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