(株)大林組は、ウォータージェットを用いてコンクリート構造物内部の劣化部分を効率良く補修する工法を開発しました。ひび割れや目地部等に沿って劣化がコンクリート内部まで進行した場合など、コンクリートを内深部まで補修する場合に適した新しい工法です。国内のトンネル覆工コンクリートの劣化部分の補修工事に適用しました。 コンクリート構造物の補修方法としては、劣化部分をブレーカーなどではつり、充填材料との一体性を保つため、はつり面の洗浄などの表面処理や鉄筋の錆落しをほどこした後、型枠を用いてモルタル等を充填する工法が行われてきました。しかし、劣化したひび割れや目地部等、劣化部分がコンクリート内深部に及んでいる場合、ブレーカーの先端が劣化部分に届かないため構造体の表面部分を広くはつる必要があり、健全なコンクリート部分を余計にはつり取ってしまうことになります。また、ブレーカーによるはつりは余計なひび割れを発生させてしまうことがあるとともに、ブレーカーの振動や粉塵の発生などは人体に好ましい作業環境とはいえません。 今回開発したウォータージェットを用いたコンクリート劣化部の補修工法は、劣化部分の除去にコンクリートなどをカットすることができる高圧なウォータージェットを使用し、劣化部分除去後、高強度無収縮モルタルを充填し劣化部分を補修する新しい工法です。ウォータージェットが補修部分を必要な深さで、必要な幅だけを溝のように削り取り、さらに充填前の表面処理工程も不要なので、非常に効率的で、はつり作業の工期を短縮できます。また、劣化部分除去後の適度な凹凸により無収縮モルタルと既設コンクリートとの一体性も増すことで、正常な打継目と同程度のせん断耐力が確保されます。また、振動もなく粉塵のない人体にやさしい工法です。 今回開発した補修工法の特長は次のとおりです。
今後は、更に増加が予想されるコンクリート構造物の補修や長寿命化工事に積極的に提案していきます。
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■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室企画課 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 お問い合わせフォーム プレスリリースに記載している情報は発表時のものです。 |
ウォータージェットを用いたコンクリート劣化部の補修工法を開発
正常な打継目と同程度の耐力を確保し、作業効率の向上を実現
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プレスリリース