環境会計を含めた「環境アニュアルレポート2000」を発行

1999年度の環境コストは251億円、業務段階ごとの環境目標もほぼ達成

プレスリリース

大林組は、1999年度の環境保全活動を取りまとめた環境報告書「環境アニュアルレポート2000」を発行しました。
本報告書では、2年目となる「環境会計」は環境庁のガイドライン2000年版に準拠して精度の向上を図るとともに、業務段階別に設定した環境目標とその達成状況及び評価の公開、また設計部門における環境配慮設計や施工部門におけるゼロエミッションなど部門ごとの具体的な取組みを紹介しています。
なお、本報告書には内容の信頼性・透明性を高めるための「第三者審査報告書」を添付しています。

本環境報告書は、以下の内容です。

  1. 理念・方針、課題、大林と環境との関わり、環境マネジメントシステム
  2. 設計、施工部門、共通部門における取組み
  3. 社会貢献、環境関連技術開発
  4. 環境会計
  5. 環境マネジメントシステムの目的・目標
  6. 第三者審査報告書

本報告書の主な特徴は次のとおりです。

21世紀にむけての具体的な課題
大林組では「大林組環境方針」に則り、省エネルギー・省資源、リサイクルの推進、廃棄物の発生抑制および有害化学物質の適正処理など環境負荷の低減に全社的に取り組んでいますが、具体的に次の4つの活動を当面の大きな課題として認識しています。
  1. 二酸化炭素排出量の削減
    施工段階で発生する二酸化炭素排出量削減のため、昨年12月以降トラックの省燃費輸送の促進を図っています。

  2. グリーン調達
    一般事務用品、設計段階でのエコ資材採用、建設現場での資材の3部門で、順次、グリーン調達基準を作成、実施しています。

  3. 建設廃棄物対策
    ゼロエミッション現場での具体的な削減対策を逐次水平展開します。また建設廃棄物の総排出量の削減目標を設定し、総排出量の低減を図ります。

  4. 有害化学物質対策
    2001年4月のPRTR法施行に向けた対応を実施します。既に全国の機械工場で使用している塗料の顔料を全てクロム・鉛を含まないものに変更しました。

環境会計
昨年度、建設業初の試みとして工事事務所の活動を含めた環境会計を集計し公表しましたが、今年度は算出過程での精度の向上を図るとともに環境庁のガイドライン2000年版に準拠して公表しています。
環境コストは事業内エリアコスト、上・下流コスト、管理活動コスト、研究活動コスト、社会活動コストの5分類で算出し、1999年度の総額は251億円です。

金額単位:百万円
項 目 内 訳 コスト
事業内エリアコスト 公害防止、地球環境保全、資源循環 20,570
上・下流コスト 環境配慮設計 1,356
管理活動コスト EMS運用、環境関連部門 1,252
研究活動コスト 環境関連研究開発 1,472
社会活動コスト 現場周辺美化、情報公開、環境広告、環境関連基金・寄付等 511
合 計   25,160

効果は保全効果、経済効果とも数量把握の可能なもののみ公表しています。
保全効果は事業エリア内効果、上・下流効果に分けて算出しました。事業エリア内効果は、汚泥を含んだ建設廃棄物の最終処分量と処分率、廃棄物再資源化率、型枠用熱帯材代替率、廃石綿適正処理量を公表しています。特に汚泥を含んだ建設廃棄物最終処分量は33.7万tと昨年に比べ5.9万tを削減し、処分率も8.0ポイント低減しました。上・下流効果は、実施設計建築物の二酸化炭素排出量削減、環境配慮設計による省資源、 グリーン調達額に分けて表示しています。
経済効果は、リサイクルにより得られた収入、省エネルギーによる電気・水使用量削減、リサイクルに伴う廃棄物処理費用の削減を表示しています。


実施設計時の環境配慮設計で二酸化炭素排出量の大幅な削減
エコ材料の使用、省資源、省エネルギーの項目で年間13,249t-CO2を削減し、1990年当時の標準的な設計と比較して、建設から解体にいたるLCCO2を9.3%削減しました。これは成長期の樹木に換算すると1,152,000本となり、毎年724haの森林を増やすことに匹敵します。


業務段階別に設定した環境目標とその達成状況及び評価の公開
「企画・計画・設計」、「施工計画・施工段階」、「日常業務」、「地域社会での取り組み」の各業務段階別の環境目標を年度初めに設定し、目標に対する達成状況を確認しました。その結果、梱包材の簡素化や日常業務における用紙使用量など、一部の項目では若干の未達成部分がありましたが、概ね目標値を上回りました。
2000年度の活動目的、目標については、この結果をもとに見直しています。


第三者意見
本環境報告に記載している環境パフォーマンス数値及び環境会計数値の収集過程と集計方法並びにその他の記述情報と基礎となる資料及び関連する資料との整合性に関する信頼性・透明性を高めるために、太田昭和環境品質研究所(本社:東京都千代田区、社長:栗原安夫)による「第三者審査報告書」を添付しました。


21世紀には、建設業にとって「環境保全」は最も重要な側面になると予測しており、今後も果敢に環境保全活動を展開していきたいと考えています。


以上


■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟
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プレスリリースに記載している情報は発表時のものです。