建設施工段階における二酸化炭素排出量の削減目標は17%

業界目標12%を大幅に上回る17%削減に向け努力します

プレスリリース

大林組は、建設工事の施工段階で排出される二酸化炭素の量を、2010年には1990年に比較して17%削減することを目標とします。COP6も迫り、地球温暖化防止に関する取組みの強化が求められていますが、大林組は建設業界としての目標である12%削減を大幅に上回る17%という削減目標を掲げ、建設工事の施工段階における二酸化炭素排出量削減に向けた活動を強力に推進します。


1998年10月、日本建設業団体連合会(日建連)がエネルギー統計値を基に推定し、「建設施工段階における二酸化炭素排出量を2010年に1990年比で12%削減する」と発表し、建設業界としての目標を設定しました。
大林組では、従来、建設工事の施工段階の二酸化炭素排出量削減に向けた取組みを実施してきましたが、この活動を更に強力に推進するため業界目標を大幅に上回る削減目標を掲げることとしました。


大林組独自の削減目標は、次の手順で策定しました。

  1. 施工現場でのエネルギー使用量の調査・分析
    当社が施工中の102現場を対象に、建設施工現場におけるエネルギー使用量を詳細に調査・分析し、施工段階の二酸化炭素排出量の主な構成は、電力21.0%、灯油2.0%、ダンプトラック用軽油30.6%、バックホー用軽油16.8%等であることを確認しました。
  2. 具体的な二酸化炭素排出削減手法の効果測定
    1.の調査結果に基づき、各々のエネルギー使用分野について、例えばトラックの省燃費運転など、今後取りうる二酸化炭素排出量削減手法を個々に取り上げ、その効果を実測値等を基礎に算定し、削減予測量を積み上げ法で求めました。
  3. この結果、2010年の二酸化炭素排出量目標値である312千トンは、1990年の378千トンに比較して17%の削減となり、業界の目標値である12%削減を大幅に上回る削減目標を設定しました。
    1990年から2010年に至る、二酸化炭素排出量の推移は下図のとおりです。

二酸化炭素排出量

  • 1990年度のCO2排出量は、1999年度のCO2排出原単位を用いて国内売上高に応じて比例計算

  • 2010年度のCO2排出量は、1999年度のCO2排出原単位を用いて国内受注達成目標値の120百億円に基づき算出

  • BaU(Business as Usual)とは削減計画が実施されないケース

2010年の計画削減量5万5千トン-CO2に向けて採用を予定している各種削減策と、それによる2010年における削減量の予測値は次のとおりです。

  1. 現在、活動中でかつ目標年度まで環境マネジメントシステム運用により取組みを実施する方策
    当社独自の取組み 2010年の
    計画削減量
    @省燃費運転研修の実施 15,600トン-CO2
    A掘削土量削減工法の提案 6,360トン-CO2
    B建設残土の更なるリサイクル率の向上 2,050トン-CO2
    小 計(A) 24,010トン-CO2
    関連業界との取組み(日建連も含む) 2010年の
    計画削減量
    Cアイドリングストップ 4,630トン-CO2
    D機械・車両の適正整備 2,100トン-CO2
    Eこまめな消灯 1,140トン-CO2
    小 計(B) 7,870トン-CO2
    合計その1=小計(A)+小計(B) 31,880トン-CO2
  2. 中期的に間連業界等との連携で取組みを実施する方策
    当社独自の取組み 2010年
    の計画削減量
    F燃料消費の少ない建設機械・車両の
    使用の促進
    (電動型バックホー等)
    1,360トン-CO2
    関連業界との取組み(日建連も含む) 2010年の
    計画削減量
    G燃料消費の少ない建設機械・
    車両の使用の促進
    (ディーゼルエンジンの改良効果)
    19,620トン-CO2
    H電力の使用
    (電力供給の構成変化による原単位変化分)
    2,500トン-CO2
    小 計 22,120トン-CO2
    合計その2=F+小計 23,480トン-CO2
    総合計=合計その1+合計その2 55,360トン-CO2

上記の各種削減方策には、以下のとおり既に取り組んでいるものと中期的に取り組むもの、また当社独自の取り組みと関連業界との連携によって達成出来るものとに大別できます。


各種削減方策


但し、大林組が今回、削減目標を定めた「建設施工過程から排出される二酸化炭素量」は、建設業全体で集計しても日本二酸化炭素排出量全体の1.3%を占めるにすぎません。一方、建設資材の製造や、建物竣功後の運用過程では、下図に示すように、それぞれ日本の10%程度の排出があります。


日本の1990年度 二酸化炭素排出量


したがって大林組では、建設施工段階での排出削減に取り組むだけではなく、省資源、長寿命化、エコマテリアルの採用、省エネルギー設計等を積極的に導入するなど施工分野以外での排出量削減にも努めています。
建設施工に関わる二酸化炭素排出削減量は、2010年には年間5万5千トンを見込んでいますが、各種の環境負荷削減策を採用する大林組の環境配慮設計では1999年一年間に実施した成果として、35年間にわたるライフサイクル全体で46万4千トンの削減を見込んでいます。今後も施工と並んで設計においても環境保全に取り組み、地球温暖化防止に寄与する努力を重ねていきます。


以上
■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟
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プレスリリースに記載している情報は発表時のものです。