トルコ共和国へ既存住宅の耐震補強技術を移転

平成12年度建設省「建設業国際貢献推進事業」における国際貢献

プレスリリース

大林組は、建設省が平成12年度に実施する「建設業国際貢献推進事業」において、昨年大規模な地震被害を被ったトルコ共和国に対し、同国の既存住宅の耐震補強を進めるために、大林組の保有する技術を含めた日本の免震、制震技術の技術移転を行います。


「建設業国際貢献推進事業」は、建設省が平成6年から実施しているもので、ODAや民間の建設工事などに代表される開発途上国等への貢献事業と並んで、建設分野における開発途上国等への貢献を目的としています。実施にあたっては、建設省から委託を受けた(社)海外建設協会が事業の選定、基礎調査、実施調査、普及、啓発を担当し、民間の建設業者が事業の提案、実施を行うものです。


1999年、2度の大規模な地震災害を被ったトルコ共和国は、地震の多発地帯であり、近い将来も大規模な地震に見舞われる可能性が高いと指摘されています。1997年の同国における新耐震基準以降の建物は日本における耐震基準と同程度の高いレベルの基準を満たしていますが、ほとんどの建物は、それ以前に建てられたもので、極めて耐震性の低いものです。
今回建設省の平成12年度の建設業国際貢献推進事業に選ばれた「トルコ共和国・既存住宅の耐震補強工事等に係る技術移転事業」は、 現地の既存住宅に適した耐震補強技術を調査検討した上で、現地の技術者に対し日本の優れた耐震補強技術の技術移転を行うことで、同国の既存住宅の耐震補強を推進することを目的としています。


実施にあたっては、大林組の社員2名が、学識経験者として国連環境計画国際環境技術センターの専門官1名と東京工業大学理学部の本蔵義守理学部長の支援を受け、計4名のグループで現地の各種調査を実施し、現地に適した耐震補強方法の選定と耐震壁性能確認試験の研修、教育、指導を実施します。また、関係各庁、自治体、大学、民間企業の技術者を対象に、大林組の保有する免震、制震技術に関するセミナーを開催します。今回の事業は、現地、イスタンブール市当局、ボアジチ大学、イスタンブール工科大学の協力を得て実施されます。


今回選定された「トルコ共和国・既存住宅の耐震補強工事等に係る技術移転事業」の概要は次のとおりです。

  1. 現地における住宅建築の現況、所有形態、調達可能な建築資材、建築技能者のレベル等の調査を行い、「誰でも、何処でも、低コストで施工できる」ことを目標とした、現地に適した耐震補強方法を選定する。

  2. 現地において、耐震壁性能確認試験の教育、研修、実施指導を行い、最も地震による被害の多かった構造(RCラーメン構造+レンガ壁)の既存住宅への耐震改修案を提示する。

  3. 現地の関係官庁、自治体、大学、民間企業の技術者等を対象に、大林組の保有する技術を含めた日本の免震、制震技術に関するセミナーを、既存建物の耐震改修や新規建物への適用事例の紹介により、開催する。
    @ 免震技術および免震レトロフィット技術
    A 床免震技術
    B ブレースやダンパーを用いた制震技術

今後も、大林組は国内外の関係機関の協力を得ながら、開発途上国等への国際貢献を行っていきます。

以上
 
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大林組 東京本社 広報室企画課
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