震度1でも大揺れ、制振装置「AVICS-2」が効果を発揮

アンケート調査により、人の感覚的にも揺れを低減したことを実証しました

プレスリリース

大林組は、同社の開発した「AVICS-2」が、震度は小さいが建物によっては大きな揺れを引き起こす可能性のある遠方地震に対しても効果を発揮することを確認し、また、アンケート調査により、人の感覚的にも揺れを低減できたことを実証しました。

平成12年10月6日に観測された鳥取県西部地震は、東京・千葉では震度1だったにもかかわらず、一部の建物では海上の船のように大きくゆっくりと揺れました。これは、遠方地震特有の長周期波による揺れのためで、この長周期波に波長の合ってしまったビルが結果的に大きく揺れてしまったのです。そもそも、ビルには高さや構造により、そのビル特有の「固有周期」というものがあります。そのビル固有の周期に遠方地震特有の長周期波が重なると、船のように大きくゆっくりと揺れてしまうのです。

このような揺れは、建物の耐震性上は問題となりませんが、人は実際以上に大きく揺れを感じ、人の心理に与える影響が懸念されています。このような揺れを制御するには、それ専用の装置が必要になります。大林組の開発した「AVICS-2」は、遠方地震や風揺れのような揺れから効果を発揮します。
今回、「AVICS-2」の設置してある品川インターシティA棟では、建物屋上で3.34Galの揺れを観測しましたが、制振装置がない場合、10.95Galと予測されることから、建物の揺れを30%程度にまで低減したことになります。また、今回は機械的な数値だけでなく、人の感覚でどの程度揺れを低減できたかのアンケート調査を行い、同じく良好な結果を得ました。
現在、地震というと阪神大震災のような直下型地震などの被害がクローズアップされる傾向にありますが、このような遠方地震の長周期波による建物の揺れに対して、何らかの対策を立てておくことも非常に重要なことです。
今後大林組は、アンケート調査や様々な観測装置で実データを収集し、「AVICS-2」をはじめとする制振装置の有効性を高い確度で裏付け、快適なオフィスと住空間の創造に生かしていきます。

以上

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大林組 東京本社 広報室企画課
東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟
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