大林組は、『季刊大林』No.48「メタボリズム/2001」を発刊しました。その中で、大林組プロジェクトチームは循環型社会への一提案として、「継続可能な都市」を具体化した21世紀都市『プラグイン・シティ21』構想を掲げています。 大林組は、建設という営みの文化性をひろく紹介するため、1978年にPR誌『季刊大林』を創刊し、毎回、社内に編成した第一線の建設技術者たちのプロジェクトチームにより、わたしたち人間が、かつて何を建設してきたかをたどり、そして未来に何を建設できるのかを探り続けてきました。 今回発刊したNo.48「メタボリズム/2001」では、大林組プロジェクトチームが、持続的な発展を可能とする21世紀都市の提案を特集しています。世界人口60億人の半分が都市に居住するとされる現在、1960年代に日本の建築家や評論家が提唱した更新可能な未来の都市像を先取りする思想「メタボリズム」を、未来の都市像を描き出す一手法と捉え、再評価による提案を行っています。 メタボリズム: プロジェクトチームが行った未来都市構想『プラグイン・シティ21』(監修:菊竹清訓、大林組技術者15名参加、作業期間1年6ヶ月)は、「メタボリズム」の考え方が、21世紀の基調であるサスティナブル都市すなわち「持続的な発展が可能な都市」を実現する鍵となる一手法であると考え、これを具体化した都市像を誌上に提案しています。既存の都市(東京)とプラグイン(plug-in=接続・結合)、海(東京湾)とをプラグインする全く新しいタイプの都市構想であり、これがネーミングの由来となっています。 この計画では、コンセプトとして来るべき社会を、(1)情報化(開放系ネットワーク)社会、(2)多世代型社会、(3)エコロジー都市と想定し、基本構成として、次の3つ(1)既存都市とのプラグイン、(2)プラグイン方式による都市建設、(3)海とのプラグインの要素から構成されています。 東京湾内に配置される新都市郡は都市機能を7つに分け、東京湾内に独自の機能を持つ自立充足型の10都市を、時間をかけて計画的に配置するもので、従来の都市開発のように一時的・集中的に施工するのではなく、比較的長期の工程をもって時代のニーズを反映させながら建設を行うものです。建築部材や設備がユニット化され、必要に応じて更改、増やしたり、減らしたりが可能なので、都市が成長と変化を伴い、生命体の新陳代謝にも喩えることのできるかつてない構想です。さらに既存の都市部との間を情報通信、流通、人的交流、インフラなどでつなぐことで東京の首都機能を補完し、環境や時代と共生し、さらに現況に欠いている国際交流都市としての役割を果たしながら、「東京湾都市」とも呼ぶべきメガ都市群を構成します。都市は100~500年単位で存続します。 一つの都市は、直径4kmの防波堤を兼ねた円環の外縁部と約400haにおよぶ、ユニット部材(横100m×縦300m×高さ12m)の結合により造られた人工地盤上に、スケルトン・インフィル方式によるオフィスビルや住宅、商業施設が建設される都市本体とで構成され、人工10万人が居住することを想定しています。 都市を構成する各ユニットは、建造物の長寿命化と将来必要となる取り替え・更新の考え方に基づき、円環ユニットは500年、人工地盤のユニットであるフローティング・ユニットは150年、建物は75年の耐用年数を設定しました。 7つの都市機能: 大林組では、今後も「季刊大林」を発刊し、歴史的建造物の誌上復元や未来プロジェクトの構想提案について挑戦していきます。 寄稿:メタボリズム―21世紀仕様として(メタボリズム起立者7名による最新の考え方を寄稿していただきました) ■ 川添 登(かわぞえ のぼる) 建築評論家 ■ 大高 正人(おおたか まさと) 建築家 ■ 菊竹 清訓(きくたけ きよのり) 建築家 ■ 槇 文彦(まき ふみひこ) 建築家 ■ 榮久庵 憲司(えくあん けんじ) インダストリアルデザイナー ■ 粟津 潔(あわづ きよし) グラフィックデザイナー ■ 黒川 紀章(くろかわ きしょう) 建築家 |
以上 ■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室企画課 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 お問い合わせフォーム プレスリリースに記載している情報は発表時のものです。 |
季刊大林№48「メタボリズム/2001」を発刊
大林組プロジェクトチームによる継続可能な未来都市建設構想『プラグイン・シティ21』
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