トンネル坑内で建機の運転室をオフィス環境レベルに保つ空気浄化装置を開発

建設機械の運転室から粉じんを除去し、クリーンな就業環境を確保します

プレスリリース

大林組は、流機エンジニアリング(本社:東京都港区、社長:西村章)と共同で、トンネル坑内で使用される建設機械の運転室内から粉じんを除去し、クリーンな状態に保つ空気浄化装置(クリーン・オペレーション・ルーム)を開発し、日本鉄道建設公団発注の北幹線板倉トンネル工事で性能実験を実施、その性能を確認しました。

一般的に建設中のトンネル坑内では、工事に伴う粉じんの濃度が高く、いわゆるじん肺問題を惹起しており、早急な作業環境の改善が望まれています。そのため大林組では、自社開発の電動ファン付防じんマスクを作業員全員に支給し、トンネル坑内で着用を義務づけるとともに、打合せ時や休息時間に防塵マスクを取り外してくつろげる施設として、トンネル内の粉じんを除去し、清浄化した空気を供給する可動式のリフレッシュルームを開発し、坑内に設置してきました。

トンネル坑内で使用する建設機械の運転室は、一般に、外部とは切り離された密室空間となっているものの、外気循環が必要です。また、出入りの際や外気を取り入れるために窓を開放した時には坑内の粉じんや排気ガスがキャビン内部に侵入するため、汚染された空気の中で作業することとなります。そのため、トンネル坑内で建設機械を運転する時には、オペレーターは電動ファン付防じんマスクを着用しなければならなく、運転のし難さや常時装着している煩わしさ等の問題がありました。
今回、大林組と流機エンジニアリングが開発し、実験により性能を実証したクリーン・オペレーション・ルーム(C・O・R)は、フィルターや集塵機を装備した小型の箱を、トンネルで使用する建設機械に装着し、外部の汚染された空気を浄化して運転室に送り込むとともに運転室内の空気もこの箱の中を循環・浄化させるものです。
この小型の箱の大きさは約40cm角ほどで、この箱の中に、外気取入れフィルター、超高性能フィルター、活性炭フィルター及びファンなどが組み込まれています。
今回の実験では、トンネル坑内での粉塵濃度が3mg/m³であったものが、C・O・Rを装着し、稼動させた運転室内では、オフィス環境レベルの0.04mg/m³にまで下がっていることが確認されました。
今回は重ダンプトラックに取り付けて試験施工を行いましたが、近々、トラックミキサー車にも取り付けて試験を行う予定です。今後の課題としては、出来るだけ幅広い機種に取り付け可能な物にするために、いかにコンパクトな構造にするかということと、粉じんや排気ガス以外の有害ガスに対する浄化機能までも付加するかということが挙げられます。
大林組では、今回、開発したトンネル坑内で使用される建設機械の運転室内の空気浄化装置や既に実用化している電動ファン付防じんマスク、トンネル坑内用可動式リフレッシュルームなど、じん肺根絶のため、より快適な職場環境の創造に向けた取り組みを続けています。

なお、この空気浄化装置は、商品化して株式会社流機エンジニアリング(東京都 港区芝5-16-7 芝ビル、TEL 03-3452-7400)が販売する予定です。現在のところ価格は未定ですが、1個当り40万円前後で考えています。


以上


 
■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社  広報室企画課
東京都港区港南2-15-2  品川インターシティB棟
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