「全自動ビル建設システム」で地上33階の超高層ホテルを施工中

超高層建物の短期施工と安全性を確立した自動化工法です

プレスリリース

ホテル日航ベイサイド大阪建設工事共同企業体〔(株)大林組・大成建設(株)2社両スポンサーによる5社JV〕は、大林組の開発した「全自動ビル建設システム」を採用し、地上33階建ての超高層ホテルを大阪市此花区にて施工中です。
この工事は、今話題のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下USJ)に隣接しており、高品質の33階建ての超高層ホテルを19.5ヶ月という短工期で建てるという発注者の厳しい要求に応えるべく、また、発注者〔綜合商事(株):東京都渋谷区〕と設計監理事務所〔(株)村井敬合同設計:東京都新宿区〕のオーナーである村井代表の「USJという世界的なテーマパークに隣接するホテルの建設に、未来を拓く技術である全自動ビル建設システムを採用することは大きな意義がある」とのご理解により、同システムを採用しています。この工法は、関東では過去2回実績がありますが、西日本では初めての採用となります。

「全自動ビル建設システム」は、鉄骨造高層建物を対象に、建設現場でのファクトリー・オートメーションの考え方を導入した建設システムです。建設現場での自動化・機械化・情報化を目指した工法で、大幅な省力化と高い生産性・安全性を実現し、高品質の建物を提供します。先行して設置されるファクトリー部分は、屋根と壁で覆われ、季節や天候に左右されない全天候対応の作業空間を生み出します。ファクトリー内の天井クレーンや貨物リフト、ファクトリー自体のクライミング装置などの制御は、建物内に設置された中央制御室にて集中管理されており、高い安全性を確保しています。
今回の工事は、南側がJRの在来線、さらに東側がUSJへの多数の来客者が通る通路に面しているため、鉄骨建方階全体をシースルーの外周架構により養生されている「全自動ビル建設システム」は、安全上非常に有効に機能しています。

「全自動ビル建設システム」の特徴は次のとおりです。
  1. 高い生産性により、工期を短縮できます
    屋根と壁に覆われたファクトリー部分は、季節や天候に左右されない全天候対応の作業空間を生み出すので、部材のプレハブ化・ユニット化ともあいまって工期を短縮できます。特に、繰り返し作業の続く超高層建物で効果を発揮します。当現場では、4日で1フロアの躯体を施工しています。

  2. 作業時の安全性が向上します
    1フロアを施工した後に屋根をクライミングし、1フロアずつ次のフロアを施工していくので、高所作業が大幅に減少し、作業時の安全性が向上します。また、鉄骨建方階の外周全体がシースルーのネットと鋼製の吊足場による外周架構により養生されているため、飛来落下災害が軽減されます。

  3. 工事の省力化が図れます
    建設現場での自動化・機械化・情報化を積極的に取り入れ、部材をプレハブ化・ユニット化することで、大幅な省力化が図れます。

  4. 高品質な建物を提供します
    施工の機械化、コンピュータによる集中管理システムの導入により、高品質・高精度な建物を建設します。

  5. 周辺環境へ配慮しています
    建設作業をファクトリー内で行うため、工事に伴う騒音などによる周辺への影響を最小限に抑えることができます。都市の景観を損なうことなくビル建設を行うことができ、建物のイメージアップが図れます。

今後開発元の大林組では、「全自動ビル建設システム」を積極的に提案し、工期の短縮と工事の省力化、高い安全性の確保、施工品質の向上を目指していきます。

[工事概要]
工事名称 :ホテル日航ベイサイド大阪新築工事
発 注 者 :綜合商事(株)
設計監理 :(株)村井敬合同設計
場所 :大阪市此花区
構造 :S造
延床面積 :47,538.62m²
建物規模 :地上33階塔屋2階
工期 :平成12年8月18日~平成14年3月31日(19.5ヶ月)

以上

■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
東京都港区港南2-15-2  品川インターシティB棟
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