大林組は、コンクリート壁に発生するひび割れを計画的に集中させメンテナンスを容易にすることを可能とした誘発目地工法「カラム目地」を開発・実用化しました。安価で耐力壁にも使用でき、非常に汎用性が高い工法です。既に数件の実適用により効果を確認しています。 外壁のひび割れは美観を損ねるだけでなく、耐久性を低下させる一因となる可能性があるため極力防止することが望ましいものです。しかし、コンクリートの乾燥収縮や外気温変動に伴う変形は自然環境によるもので避けることができません。そのため、耐久性に影響を与えないようにできるだけ乾燥収縮を小さくする方法としてコンクリートの材料や調合を変える方法がありますが、使用するコンクリート収縮低減剤が割高なためコスト増の一因となります。一方、コンクリートの調合を変えずに、鉄筋を増すことでひび割れを分散し耐久性に影響をおよぼさないようにする方法がありますが、将来、美観のための補修が必要となります。将来の美観を確保するための補修を極力少なくする、ひび割れ発生場所を誘導する(誘発目地)工法もありますが、表面から深い溝(壁厚の1/3~1/4以上)を設けることでひび割れの誘導を確実にする工法で、目地を設ける溝の部分が深いため、構造体としての十分な壁の厚さを確保することが難しく、耐力壁への適用はできません。また、鉄筋の切断や組立て手間がかかるなど、施工上の難点も多く割高なものとなっていました。 今回、大林組が開発した「カラム目地」は、コンクリート壁の中に、モルタルを充填した塩ビパイプを垂直に適度な間隔で配置することで、塩ビパイプが位置する壁表面目地部にひび割れを集中させるものです。ひび割れの集中率はほぼ100%で将来のメンテナンス費用を安く抑えかつ、鉄筋の組立て時に同時に組立てることができるので特別な施工上の手間はありません。また、耐力壁への適用も可能なので、非常に汎用性の高い誘発目地工法です。 今回、開発、実用化した「カラム目地」の特長は次の通りです。
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■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室企画課 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 お問い合わせフォーム プレスリリースに記載している情報は発表時のものです。 |
ひび割れを集中させ、メンテナンス費用を抑える誘発目地工法を開発・実用化
安価で耐力壁にも使用できる非常に汎用性の高い誘発目地工法「カラム目地」
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プレスリリース