安く、手軽に屋上の緑化が行える、3種類の緑化システムを開発・実用化
フレキシビリティの高い給水システムにより、信頼性の高い屋上緑化を実現します
大林組は、安く、手軽に、屋上緑化を実現することができる3種類の屋上緑化システムを開発・実用化しました。フレキシビリティの高い給水システムを用いることで、低価格で、植物種に限定されることなく、信頼性の高い屋上緑化を実現します。
近年、ヒートアイランド対策として屋上緑化が注目され、東京都では、新築の建物について屋上緑化を義務付けるなど自治体の積極的な取組みも始まりました。ヒートアイランド対策としての屋上緑化は、屋上に植物を生育させることで、植物の蒸散活動による温度低下効果を期待し、また植物が成長する過程でCO2を固定化することによるCO2削減効果を期待しています。
今回、大林組が開発した3種類の屋上緑化システムは、フレキシビリティの高い給水システムを利用することにより、植物を限定することなく、植物による水の蒸散とCO2の固定化の効果を期待できる、ヒートアイランド対策を十分に可能とした屋上緑化システムです。しかも、非常に軽量かつ安価で、施工も簡易に行うことができるので、既存の建物への適用やバルコニーなどへのガーデニングとしても利用することができるシステムで、メンテナンスフリーを実現することもできます。
3種類の基本バリエーションにより、目的、期間、価格などの顧客ニーズに合わせた提案を行うことが可能で、プライベートな緑化システムへの拡張性も期待できます。
大林組が開発した屋上緑化システムの特長は次のとおりです。
薄層緑化システム
潅水のシステムとして毛細管現象を利用した導水シートにより水の供給を行う薄層緑化システムです。
1) 価格は従来システムの半分以下
導水シートによる給水システムを利用することで、非常に安価で、フレキシビリティの高い緑化を実現できます。本システムは普通の土が利用でき、在来種や花などの多種類の植物、例えば高さ1mの植物も栽培できます。従来システムでは不可能な低価格(材料のみ5,000円/m²から、工事費込みで7,000円/m²から)を実現しました。
2) 非常に薄層で軽量
導水シートからの給水により、常に適切な水分条件に制御できますので、土の厚さは5cmとすることができました。通常の土を使った場合でも、水を含んだ重さは60~80kg/m²です。
3) 施工が容易
導水シートによる給水システム以外は、既存の材料を使用できます。緑化の知識が少しでもあれば、自ら施工することも可能です。
4) メンテナンスもローコスト
植物種としては、粗放的な管理に適した芝草やマメ科植物を選定しています。貧栄養条件で育成するので、肥料などの追加費用は不要です。
5) ヒートアイランド抑制及び省エネも期待できます
屋上に適度に湿った土壌や植物があることにより、強い日差しを受けても、直下の室温の上昇を防ぎ、エアコンなどの光熱費を削減します。また、土壌及び植物からの蒸散で気温を下げ、ヒートアイランド現象を低減すると共に、地表面からの輻射熱を低減し、体感温度を下げる効果が期待できます。
6) 周囲の環境への影響を抑え、自然復元に近づけます
土を使ったシステムなので、アレルギーや環境ホルモンの問題がありません。在来種の種子が飛来して、自生する可能性もあります。
置き換えシステム
給水システム上に、土の代わりに揚水レンガまたはチップ状レンガと鉢物植物を置くシステムです。
1) 季節毎、用途毎に植栽の変更が可能
給水システム上に鉢物植物を置くだけの簡易なシステムなので、季節毎、用途毎に植栽を変更することができます。集客効果を期待する商業施設などでの利用が有効です。給水システム上に置く植栽は多くの種類を選定することができます。
2) ヒートアイランド抑制、省エネ効果が大きい
植栽の蒸散だけでなく、揚水レンガやチップ状レンガが十分に保水し、気化熱を奪われることにより、表面温度を大幅に(15℃程度)下げることができます。この効果は、今回開発したシステムの中で、最大であることから、省エネ効果も最も期待できます。
3) 改修が容易
土壌基盤が無いシステムなので、将来発生する防水層の改修が容易に行えます。
4) 施工が容易
施工が非常に簡単なので、専門知識がなくても、ガーデニング感覚で設置することができます。
5) 価格は従来システムの約半分
価格は従来システムの約半分の価格(材料のみ10,000円/m²から)を実現しました。
植栽ボードシステム
多孔質の揚水植栽ボードを利用したシステムで、底面給水により必要な水分だけが供給されるシステムです。すでに植物が生えたボードを導入すれば、当初からの緑化が実現できます。
1) 非常に軽量
多孔質植栽ボードを利用し、水も植物が必要とする最低限の水の供給しか行いません。そのため非常に軽量で、40kg/m²を実現しました。
2) 更新が容易
植物が衰退してしまった場合でも、ユニット毎に交換できるので、更新が容易に行えます。
3) 省エネ効果が大きい
ボード上に生育した植物の蒸発散効果により、建物の省エネ効果が期待できます。
4) 改修が容易
土壌基盤が無いシステムなので、将来発生する防水層の改修が容易に行えます。
5) 施工が容易
給水システム上に植栽ボードを置くだけなので施工が非常に簡単です。専門知識がなくても、設置することができます。
6) 価格は従来システムの半分以下
本システムも、価格は従来システムの半分以下を、実現できる見通しです。
今後、大林組では、屋上緑化システムの提案を企画、設計から提案し、新築だけでなく、既存建物への中長期的な改修計画までを含めた提案や集客向上を目指す商業施設、建物価値向上を目指すテナントビルなどへも積極的に提案していきます。
さらに、マンションのバルコニーなど、ガーデニング感覚で行えるプライベートな緑化へも積極的な提案を行っていきます。
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薄層緑化システム |
置き換えシステム |
植栽ボードシステム |
以上
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■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟
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