本格的大型PFI事業第1号である神奈川県立保健医療福祉大学(仮称)PFI事業は、本年6月5日に着工され、現在、大林組により平成15年4月の開学に向けて、鋭意施工中ですが、本日、当事業の核心となるプロジェクト・ファイナンスによる融資契約が、ファイナンシャル・アドバイザーの野村證券株式会社ほかの協力により締結されました。 30年を超える超長期資金の出し手となる金融団は、東洋信託銀行株式会社(エージェント)、独デプファ銀行グループ、太陽生命保険相互会社、大同生命保険相互会社、富国生命保険相互会社および安田生命保険相互会社によって構成され、融資総額は110億円を超える大型PFI事業となります。 融資契約交渉は、昨年4月に開始され、借入主体となるエスピーシー・ピーエフアイ神奈川一株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:小栁郁夫)と融資団との間で、1年以上に亘り続けられてきました。 スキームの概要は、信託(受託者:東洋信託銀行株式会社)を活用して、主たる返済原資を神奈川県からの割賦料に限定したリミテッド・リコース型のプロジェクト・ファイナンスとなっています。融資契約は、SPCの実際の業務遂行者となる株式会社東畑建築事務所(設計)、株式会社大林組(施工)、株式会社オークビルサービス(維持管理)および株式会社ビル代行・相鉄企業株式会社(維持管理バックアップサービサー)等本件事業のハード面を担う多数の企業の事業遂行能力、与信能力を背景としています。安定した資金調達の仕組みは、神奈川県、金融団およびそれぞれのリーガルアドバイザー等の協力を得て作り上げられました。また、本融資は、格付投資情報センター(R&I)から、完工前についてA格の格付を取得しております。完工後の融資については、SPCが神奈川県に対する完工引渡し義務の履行、大学施設の維持管理業務を適正に履行する仕組みの整備を前提に、神奈川県の地方債に近い格付けが想定されています。 本件プロジェクト・ファイナンスの組成にあたって、株式会社大林組は野村證券株式会社をファイナンシャル・アドバイザー、三井安田法律事務所をリーガル・アドバイザーに指名し、30年を超える超長期のファイナンスの取り纏めに専門分野のスタッフを起用した点も、今後のPFI事業への取り組みについての大きな特徴の一つです。PFI事業においては、官民のみならず民々の役割分担、リスク分担が契約により明示されることが極めて重要ですが、従来型の契約に内在する曖昧さを徹底的に排除した厳しい契約内容は、今後の日本におけるPFI事業におけるモデルケースになると思われます。 本件事業が総合評価一般競争入札の方式を取らずに、プロポーザル方式であったことにより、神奈川県・金融団・事業者の間で徹底した議論を納得の行くまで行なう事ができたことは、PFI事業についてのノウハウ蓄積という意味において官民双方にとってプラスに作用したものと考えられ、本件PFI事業が一つの基準ともなる事例となることが期待されます。 以上 |
■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室企画課 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 お問い合わせフォーム プレスリリースに記載している情報は発表時のものです。 |
神奈川県立保健医療福祉大学PFI事業プロジェクト・ファイナンス成約
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